営業担当者は、自分本位の言葉を使っていることが多いもの。同じ内容でも顧客の立場で考えれば、自ずと表現は変わるはずだ。

×「たぶん」
○「今の段階では」

顧客からのリクエストに対して、「たぶん大丈夫です」と安請け合いしてしまうことはないだろうか。なるべく色よい返事をして、顧客をつなぎとめておきたい心理はよくわかる。しかし、顧客に過度な期待をさせると、実現しなかったときの落胆が大きく、顧客は裏切られたような感情を抱く。

かといって「たぶん無理です」では商談が終わりかねないし、「わかりません」では話が先に進まない。その場で明確に答えられないことに関しては、「いまの段階では、○○を目標にしています」というように、現時点の意思を示す形の回答が適切。

×「いつでも大丈夫」
○「できる限りご都合に合わせます」

アポイントを調整するとき、チャンスを逃したくないという心理が働き、つい「いつでも」と言ってしまうことがある。もちろんアポは顧客の都合に合わせることが基本だが、こう言うと売れていなくて暇な営業担当者だと思われてしまう。

売れていない営業担当者から商品を買いたいと考える顧客はいない。「できるだけお客様のご都合に合わせます」と伝えて、引き合いが多いことを示したい。

×「今月中に契約を」
○「余裕を持ってスケジュールを組みます」

期末になると、数字が達成できていない営業担当者が「今月中にご契約しましょう」と畳みかけるシーンをよく見かける。しかし、これでは顧客にプレッシャーを与えてしまう。

「余裕を持って取り組めるスケジュールでお手続きしましょう」と言い換えれば、顧客のことを考えた末の提案だと印象づけられる。