あえて自信満々にふるまうことで、相手の反応をポジティブなものにし、自分自身の追い風にすることができます。裏を返せば、わざわざ自分から逆風を作りだして、無用な労力や時間をかけるような愚をおかす必要はないのです。

自信をもって、流れるような説明をする

同じ内容の報告でも、あの人がするとスムーズなのに、自分がすると質問攻めに遭う……そんな経験はありませんか?

多くの場合、その原因はあなたの「たどたどしい」説明にあります。

詰まりながらの説明は自信がない印象を与え、相手を不安に陥れます。その不安が重箱の隅をつつくような質問に変わり、話の内容とは無関係なあら探しをされてしまうのです。これでは目的が達成されないばかりか、あなたの信用にかかわります。

流れるような説明をするには、二つのコツがあります。

①「森」→「木」→「枝葉」の順で話をする
(森=話の全体像/木=話のポイント/枝葉=詳細な説明)

あなたが話したいこと、つまり「枝葉」から話しはじめるのではなく、まずは全体像(森)を話すことで相手の頭のベクトルを方向づけ、話のポイント(木)を説明して概要を理解させ、続いて詳細説明(枝葉)に入るのです。これができると、思った以上にスムーズにホウレンソウができます。

②事前に「開始のセリフ」と「説明と説明の間のセリフ」を決めておく

開始のセリフとはつまり、「あのー、えっと」で話しはじめずに、最初の一言目からズバリと話題に入るということです。

説明と説明の間のセリフとは、森と木、木と枝葉の説明をつなぐ接続詞です。「しかし」なのか「具体的に言うと」なのか、論理の展開をスムーズにするための接続詞を事前に決めておくと、上司やクライアントを前にしても緊張せずにホウレンソウができます。

小さなことと思うかもしれませんが、こうしたことの積み重ねが、あなたの印象を作るのです。

スーツやヘッドフォンを着用したホワイトカラーの労働者
写真=iStock.com/kokouu
※写真はイメージです

聞かれたことに答える

ホウレンソウでは、質問が返ってくることもあります。

例えば、あなたの報告に対して「それで、○○さんにアポイントは取れたの?」という質問が上司から返ってきたら、あなたはどう答えますか?

このとき「○○さん出張らしいんですよ」などと、理由や背景から返事をしてしまう人が多いのではないでしょうか。

ひどい場合は「○○さん、さっき会ったら忙しそうで、話しかけようにもなかなかタイミングが合わなくて。部下が急に来なくなったらしいんですよ」と、さらに周辺情報に迂回する人もいます。