敗北は受け入れる

「自分に負けない」「自分に勝つ」という“ぶれない芯”を持っていれば、あとはどうでもいいと書きました。

弘兼憲史『捨てる練習』(プレジデント社)
弘兼憲史『捨てる練習』(プレジデント社)

言い換えれば、自分に負けないことだけを心しておけば、ほかの勝負には負けてもいい。それ以外の勝負、つまり、自分以外の誰かに負けを感じたとしても、落ち込んだり気に病んだりすることはないのです。

仕事をしていれば、目上の人に限らず、同期でも後輩でも、負けを認めざるを得ない相手と出会うこともあるでしょう。そんなとき、相手が自分より上だと思ったら、責任転嫁も言い訳もせず、素直に負けを認めるべきなのです。

「いいじゃないか、負けたって」です。

それを潔くできるのが、楽天家のいいところ。「この人はすごい」「まったくかなわない」とあっさり認めてしまい、立ち直りが早いのが楽天家の長所です。

他人との勝負は勝った負けたのくり返し

「自分に勝つ」という勝負には、到達点がありません。常に今の自分を乗り越えようとし続ける、終わりのない戦いです。

対して、自分以外の誰かとの戦いは、目の前にあるほんの小さな戦いに過ぎません。負けは負けでも、一時の負けです。

人生は、勝ったり負けたりのくり返し。どんな人でも、勝ち続けることはできません。だからこそ、目先の勝ち負けに一喜一憂して、負けをズルズル引きずってはいけない。負けぐせがつくだけです。

「今回は負けました」と潔く認め、次の戦いに備える。次の勝負はすぐそこですから、悔やんだり落ち込んだりしている時間はありません。