仮眠を取り入れることで「ランチ後の眠気」は乗り切れる
【小林】ランチの後に眠気に襲われること、よくありますよね。たしかに、がっつり食事をとると血糖値が上がり、食後にそれが下がる反動で、眠気やだるさが出ることがあります。しかし、食事をした・しないにかかわらず、起きてから8時間後は、人間の体内時計のリズムからも、脳が疲れて頭が働かなくなる時間。6時に起きた人なら14時ごろ、7時に起きた人なら15時ごろです。つまり、お昼のあとの眠気は、自然なものでもあるわけです。
このように「午後の眠気」はしかたがないものではありますが、上手に仮眠を取り入れることである程度は対処でき、また午後のパフォーマンスを上げることができます。まず、睡眠時のノンレム睡眠の「眠りの深さ」には4段階あります(図表1)。
昼寝でとりたい眠りの深さは、そのうちの2段階目まで。時間にしておよそ30分程度仮眠をとれば、2段階目くらいで目を覚ますことになります。それ以上寝てしまうと、目覚めが悪くなったり夜の睡眠に影響を与えたりしてしまうので、注意が必要です。
眠ったという自覚がなくても疲労回復効果は十分にある
【三輪田】たとえ時間があったとしても、アラームをかけるなどして仮眠は30分以内におさめるようにしましょう。
若い人の場合はすぐに深い睡眠に入れるため、10分~15分など、さらに短めでOKです。また、仮眠をとる時間が確保できないという場合は、数分間目を閉じるだけでもかまいません。睡眠は、脳の疲労回復をおこなうためのもの。人間は目から入ってくる情報が膨大なので、目が疲れてくると脳が疲れていると錯覚してしまいます。目を閉じて視界に入る情報を減らせば、たとえ眠ったという自覚がなくても疲労回復効果は十分にあります。
なお、仮眠をとるときは本格的に横にならなくても、机にうつぶせになる、イスに寄りかかるなど、首が固定できるラクな体勢がとれれば大丈夫です。できる範囲で計画的に仮眠を取り入れることで、睡眠負債を解消し、日中のパフォーマンスを上げることができます。