ジャベリンを持った銀行強盗が出現する
5月22日の琉球新報の社説の中で、東京外語大の伊勢崎賢治教授が次のようにコメントしていました。伊勢崎さんは過去に国連職員として、世界各地の紛争の停戦や武装解除の交渉を担当した経験をもっています。
今、国際社会が目指すべきは、両国間の停戦の合意形成だ。西側諸国や日本は真逆のことをしている。なぜ武器や装備を送って、戦争を継続させる支援をするのか。今のやり方では、武器は最終的に誰の手に渡るか追跡できず、武装勢力の乱立につながるおそれがある。
(中略)
ウクライナ市民の命を救うために停戦を目指すべきだ。
(中略)
ウクライナ市民の命を救うために停戦を目指すべきだ。
武力紛争を肌で知る実務家ならではの警告です。前述のAFP=時事(5月27日)は、こう書いています。
あるフランス軍幹部は、ウクライナで華々しい戦果が伝えられた対戦車ミサイル「ジャベリン」を引き合いに、起こり得るシナリオを開陳した。「ジャベリンを持った銀行強盗が出現すれば、泣きを見ることになるだろう」
6月27日、主要7カ国首脳会議(G7サミット)にオンラインで参加したウクライナのゼレンスキー大統領は、さらなる武器の提供を訴え、G7の首脳はロシアへの圧力の強化とウクライナへの迅速な兵器の供与に取り組む方針を強調しました。際限のない武器供与は、どんな危険をもたらすかしれません。
(構成=石井謙一郎)