性同一性障害は性別違和へ

一般的にはまだあまり知られていないが、これまで「性同一性障害」と呼ばれていた病名は、2013年に「性別違和」に変更されている。かつて、「性同一性障害」と診断された人たちは、「生まれた性とは反対の性になりたいと持続的に強く望む人」と説明されてきた。だが現在は、通常出生時に婦人科医や助産師などにより指定された性別と、その人により体験または表出される性別との間の不一致に伴う苦痛があり、必ずしも反対の性でなく、「他の何らかの性になりたい」という持続的な強い欲求があれば、「性別違和」があるとみなされるようになった。

近年耳にするようになった「LGBT」という言葉だが、最近は「LGBTQ」という場合も増えている。

これは、Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、Gay(ゲイ、男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー、性自認が出生時に割り当てられた性別とは異なる人)、そしてQueer・Questioning(クイア「不思議な」「奇妙な」・クエスチョニング、性自認が不明確、枠に定まらない人)の頭文字をとった言葉で、性的マイノリティー(性的少数者)を表す総称のひとつとしても使われる。

はためくレインボーフラッグ
写真=iStock.com/nktwentythree
※写真はイメージです

日本のLGBTQの割合は、調査機関や方法によってデータにバラつきがあるが、2019年にLGBT総合研究所が行った調査では、約10.0%だった

最近「LGBT」という言葉自体はようやく市民権を得てきたが、アルファベットが何を表しているのか理解している人は少なく、セックスとジェンダーの使い分けさえできていない人は多い。向坂さんの両親のように、わが子が性同一性障害であることを受け入れられない人は珍しくない。