「普通の人」がキャッシングやリボ払いで苦しんでいる

しかし田端さんの場合、すべての行動が「いいね」基準になってしまっているので、例えば「流行り」や「モテ」といった第三者目線でお金を使ってしまう。こうした消費傾向は見栄っ張りの人に多くて、昔からお金が貯まらない人の典型とされています。

空の財布を開ける女性
写真=iStock.com/courtneyk
※写真はイメージです

キャッシングやリボ払いで苦しむ人は闇を抱えているような印象があるかもしれませんが、今はこういった本当に普通の方が多いですし、周りのファイナンシャルプランナーのお客さんにも似たケースが少なくないそうで、SNSでの「いいね」合戦の末、数百万の時計を買ってしまった人もいるとか……。

結局、田端さんは数社からキャッシングをしていたこともあり、返済をひとつにまとめてもらう処理を弁護士さんにお願いしました。返済には6、7年かかるのではないか、ということです。そして彼女が心血とお金を注ぎ込んだSNSは、弁護士さんのお世話になったことでアカウントを廃止にせざるを得なくなったとのこと。今回は免れましたが、最悪の場合、破産になる場合もありますので、リボ払い・キャッシングは決して安易に手を出してはいけません。

SNSで「寂しさや不安を紛らわすことができた」

つい最近田端さんと会ったとき、「あんなにハマってたのに残念だったね」と声をかけると、「自分磨きっていうか、キラキラした生活を送ってたら結婚相手も見つかるかなと思ったんです」と話していました。地方から東京に出てきてインスタグラムをはじめ、「いいね」がつくようになって承認欲求が満たされ、「寂しさや不安を紛らわすことができた」という田端さんの話を聞けば、決して「自分が悪い」なんて言葉で済まされることではないと感じました。

一方で、お金の使い方だけなく、「他人からどう見えるか」と、判断のジャッジを他人に受け渡してしまうと後悔が増えるような気がします。たとえ人からしたらバカみたいな行動でも、「自分がハッピー」ならどんな結果でも納得できるのではないでしょうか。

とはいえ田端さんの場合はまだ20代。若いのでリカバリーがいくらでもききます。ぜひこの体験を教訓に、“自分軸”の人生を歩んでいってほしいと思います。

(構成=小泉なつみ)
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