舌ポジションが間違っていると、口腔内細菌が増えやすくなる

歯周病を予防するには、歯のケアをしっかりすることです。その前に、まずは皆さんに確認していただきたいことがあります。

あなたの「舌先」は今、口の中のどこに触れていますか?

上あごのあたりでしょうか?

あるいは、前歯の裏に当たっている?

それとも、舌先はどこにも触れず、口腔内の中ほどにある状態でしょうか?

実は、「舌の置き場所」には、正しい位置があります。

この置き場所が間違っているだけで、歯周病菌やむし歯菌が増えやすくなるのです。その結果、脳の老化が加速する可能性があります。

正しい舌ポジションとは

舌先は、図表2のように、上あごの「スポット」と呼ばれる少しへこんだ場所にすっぽりとおさまっているのが、本来の正しい位置です。前歯にギリギリくっつかない、歯の付け根(歯茎)あたりになります。

このとき舌全体は、吸盤のようにぴったりと上あごにくっついています。何もしていないときや、何かを飲み込むときには、このポジションに舌がくるのが、本来の正しい状態なのです。大切なポイントは、舌先だけでなく、舌全体が上にくっついていることです。

乳児は母親のお乳を飲むために、舌で乳首を上あごに押し当てしごいて飲みます。

この舌の位置が、人間の正しい舌ポジションです。このとき私たちは、口から栄養をとること、同時に、鼻で呼吸をすることを覚えるのです。

しかしながら、成人でこれができている人は50%程度だと言われていて、多くの人は舌先が前歯の裏側に当たっている状態です。

このように、舌の位置が本来の位置より下がっている人は、舌の横に波型の歯の跡がついていることが多いようです。

舌の位置がさらに下がっていると、舌先は口腔内のどこにも触れなくなります。