太陽光アンチによるヘイトの凄まじさ
東京都の太陽光発電設置義務化に関する先の記事について、多くのコメントが書き込まれ、図らずも、太陽光をめぐる議論の凄まじさを可視化することになりました。
筆者は別に太陽光発電をビジネスにしていませんし、シガラミもありません。ただひたすらに、日本のみんなが「冬暖かく」「夏涼しく」「電気代の不安なく」暮らせる家造りを研究しています。本稿では、その続編として、よくある疑問を題材に、よりよい家造りを考えてみましょう。
疑問1:太陽光パネルのほとんどは輸入品だ。輸入品の普及をゴリ押しする政策は売国行為だ
現状、日本に流通する太陽光パネルの多くが輸入品なのは事実です。貿易統計によるとその輸入金額は2014年に8167億円とピークに達した後、2021年には2500億円にまで減少しています(図表1)。
一方、図表2に示したように、化石燃料の輸入金額は2021年に16兆8000億円と、太陽光パネルとは比較にもならないほど巨額です。しかも、2008年と2014年には30兆円近くまで高騰しました。資源高と円安が進行する現在、輸入金額がどこまで膨らむのか、全く見通しがつきません(注1)。
注1:「貿易赤字2兆3846億円 5月、資源高で過去2番目」
日本国民みんなが燃料費の高騰に苦しむ中、かのロシアを含め資源輸出国が大儲けしているのはもちろん、日本の輸入商社も空前の利益を上げています(「商社3社、資源高で利益8000億円超」)。
化石ファミリーにとって、国民を化石エネルギーに縛り付けておくことが、一番手っ取り早く儲かるのです。
一部の論客が唯一絶対の正義かのようにふれまわる石炭火力発電が、国民の電気代を安くしてくれる保証はどこにもありません。石炭のほとんどは輸入であり、その単価は現在急上昇しています(前稿参照)。今後、CCS(二酸化炭素回収・貯留)などを真面目にやればコストは否応なく膨れ上がります。化石燃料を使い続けることだけが唯一の正解のようにふれまわり、国民に他のチョイスを示すことなく、どんどん高額になる化石電気を売りつけて搾取を続ける。これこそ憎むべき売国行為ではないでしょうか。