「プーチンは影武者を使っている」死亡説を報じる欧米メディア

病状悪化がささやかれるロシアのプーチン大統領について、すでにボディ・ダブル(影武者)を使っているとの大胆な分析が出始めた。英デイリー・スター紙は、イギリスの諜報ちょうほう機関「MI6」の複数の役職者の証言として、プーチンは影武者を使っており、すでに死亡している可能性すら否定できないという分析を報じた。

2022年6月9日、若い起業家やスタートアップ企業の創業者とのミーティングに出席するウラジミール・プーチン大統領(ロシア・モスクワ)
写真=EPA/SPUTNIK POOL/時事通信フォト
2022年6月9日、若い起業家やスタートアップ企業の創業者とのミーティングに出席するウラジミール・プーチン大統領(ロシア・モスクワ)

側近らにとっては、指導者の死亡後も影武者を立てることで、権力を維持できるメリットがある。同情報筋は、5月9日に行われた戦勝記念日の軍事パレードなどで影武者が投入され、そのほかメディアで流されているプーチンの音声も事前録音の可能性があるとしている。

プーチンの側近らは、指導者の死を極めて恐れているようだ。諜報筋はデイリー・スター紙に対し、「プーチンは、彼に完全に忠実な高官らからなる少数の集団の長となっている。(取り巻き連中にとっての)真の恐怖は、彼の死がひとたび公表されれば、クレムリンでクーデターが生じ、あるいは将官らがウクライナからの撤退を望む可能性があるということだ」と語った。

このため諜報筋は、「彼が死んだ際、その死は数週間から数カ月にわたり秘密とされるだろう」と予測している。極端な可能性としては、「すでに死んでいる可能性もある」との認識も示した。「把握は不可能だが、プーチンは過去に体調を崩した際、替え玉を雇っていたとされる。クレムリンが現在同様の動きをしている可能性がある」としている。

クレムリン内部に揺さぶりをかける情報戦

すでに死亡したとの説は、かなり大胆な分析とも捉えられるだろう。このように不敵な仮説を英諜報筋が口にするねらいとして、諜報戦の一端を担っている可能性がありそうだ。