義父母の離婚騒動

一方、2018年2月。85歳の義父が、「(自分たちが住む)マンションを売って、息子の家の近くへ引っ越そう」と言い出したが、78歳の義母はそこを離れたくないと反対。もともと夫婦仲が良いとは言えない義両親は、次第に大喧嘩に発展。

義父が息子(市原さんの夫)に相談すると、最初、夫は「過去に株で大損したり、勝手に生命保険を解約したりした父なので、大金(マンション売却金)を持たせると良いことがない」と反対したが、しばらくすると、「高齢の両親を近くに住まわせるのは悪い話ではない」と思ったという。

そこで夫は、「マンションの売却代金の管理は自分に任せること」を条件に了承。義母を説得して条件を文書化し、義両親と夫は捺印。2018年4月。市原さんの家の近くのマンションを夫名義で借り、引っ越してきた。

ところが数日後、マンションの売却代金を息子に管理されることに不満を感じていた義父は、夫に代金を返却するよう要求。夫は代金を両親の老後資金のつもりで預かっていたのだが、義父は義母のことなど眼中になく、全額を自分に返せと言う。しかも義父は、約30年前に株で大損したにもかかわらず、ネットで株取引に夢中。もちろん夫は返却に応じない。

株取引する男性の手元
写真=iStock.com/kazuma seki
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そんな中、義母は、売却代金の件でイライラした様子の夫(義父)との生活に心労がつのり、市原さんたちの家に頻繁に逃げてくるようになった。すると夫が、「おふくろ、しばらくうちに避難させよう」とぽつり。義母も、「麻美さんだけが頼りなのよ」と頭を下げる。

市原さんに拒否できるはずもなく、結婚費用の件(義父母が費用負担を自分の母親などにすべて依存したにもかかわらず、感謝の言葉も言わないこと)で腹一物を抱えたまま、適度な距離をとっていた義母との同居が始まった。