このように新型コロナ感染症はすでに私たちの脅威ではなくなっています。それはデータでも確認できます。今も相変わらずPCR検査が1日に10万~20万件ほど行われて陽性者数は一定数判明していますが(※3)、重症者ゼロの県が半数近くになっています。

なぜ脅威ではなくなったのでしょうか。それは遺伝子mRNA型生物製剤の注射(※以下、便宜上ワクチン接種とします)のためではありません。3回目のワクチン接種をしても感染してしまう「ブレークスルー」が数多く報告されていますから「注射しても予防効果がない」ことは明らかでしょう。このことは海外では既に自明ととらえられており、米国では3回接種率が30%ほどと低迷しています(※4)。それでも流行が収束に向かっているのは、私たちの免疫力とウイルスの相互関係によるものと考えられます。

※筆者註:生物製剤は「遺伝子医薬製剤」と「抗体医薬製剤」に分類されます。抗体医薬製剤はリウマチや喘息治療薬などに実用化されています。今回の遺伝子を人体に直接投与するmRNA型生物製剤は、人類にとって初めての遺伝子医薬製剤です。このため私は、mRNA型生物製剤を従来の「ワクチン」と同じ呼称とすることに大きな違和感をもっています。詳細は私の書籍などをご覧ください。

陽性になっても無症状、軽症で留まる感染症です。これなら通常の風邪と変わりません。ではなぜ、私たちはマスクを着用し続けているのでしょうか。

マスク着用の危険性…夏場に見逃せない落とし穴

そもそもマスクの常時着用は健康上のリスクを高めます。スポーツ選手は試合の時にはマスクをしません。当たり前です。呼吸を妨げるだけでなく、口からの放熱もできず身体がオーバーヒートするからです。

呼吸に関しては、マスクをすると外気と遮断された呼吸に寄与しない空間である死腔とよばれる空間が生まれ息をスムーズに吸うことを妨げます。また、マスク内部の炭酸ガス濃度が高いことも報告されています。

少年咳、灰色の背景に立ってフェイスマスクを着用
写真=iStock.com/Pikusisi-Studio
※写真はイメージです

体温調節の面も重要です。汗腺が少なく汗をかかない犬を観察すると、暑い時にはハーハーしています。パンティングと呼ばれ、肺に冷たい外気を入れて体温調節をしているのです。私たち人間も同様です。暑い時に涼しい空気を吸うと落ち着くことを良く経験します。マスクを外したほうが身体に負担をかけず安全で健康的なわけです。

これからの季節に注意が必要なのが熱中症や窒息のリスクです。「体育大会で熱中症か 31人搬送 1人重症 大阪の中高一貫校」(※5)、「体育大会練習中10人熱中症か うち6人歩けず 兵庫・尼崎の中学校」(※6)と報じられたように事故が発生しています。

体温上昇は一定時間継続しますので、時折外したとしてもマスク下の運動を組み合わせることで熱中症のリスクが高まります。