女性の好みは「気まぐれ」ではない

女性たちが、デパートの靴売り場の裏にある秘密の小部屋に集まり、行き交う独身男性(バチェラー)をひたすら眺めて「完璧な男性」の定義を決める──そんなわけはない。過去30年間の膨大な研究結果により、女性の好みは気まぐれでも紛らわしいものでもないことがわかっている。

誠実なモテ戦略にとくに重要なことは、文化や民族性、社会集団、人種にかかわらず、すべての女性が無意識レベルで共通した真実をもっているということだ。根本的に、彼女たちは似たような男性の特性をくり返し選ぶ。そして、それにはもっともな理由がある。

「男性に対する好み」のプログラムは、いったん両親のDNAからダウンロードされると、スマホのアプリのように、シンプルで簡単に使えるようにできている。

しかし、それぞれの好みがつくられる進化の過程では、長い研究開発プロセスが存在し、何百ものベータ版が試行され、何千世代にもわたって市場調査が行なわれてきた。

男性の特性から得られる「恩恵」とは

女性が男性のどのような特性にかれるのかを知るには、彼女たちが男性からどのような恩恵を得られるのかを理解する必要がある。

ハリウッドの恋愛コメディ映画によって、われわれの文化では、男性が女性に贈るもっともロマンティックな言葉は「愛している」か「悪かった」だとされてきた。そんなのデタラメだ

実際の行動や選ばれる男性を見ると、女性が望む言葉は「大丈夫、ぼくがなんとかするから」だ。その意味は、「ぼくたちはカップルとして一緒に問題に向き合うけど、男性のぼくがなんとかしてみせる。なぜならぼくは有能だから」。

自然界全体を見ても、メスは有能なオスを好む。彼女に君の有能さを伝えるために必要なことはふたつ。ひとつは、有能な特性を身につけて、その有能さを人生で発揮する能力。もうひとつは、その有能な特性をフル活用して、女性が求めるものを与えようとする意欲だ。