健康寿命を延ばすには、どんなことに気を付ければいいのか。医師の玉谷実智夫さんの書籍『医学的に正しい健康長寿365日』(自由国民社)より、百寿者の共通点を紹介する――。(第4回)

アメリカの研究で分かった「長寿の条件」

100歳を超えた人のことを、百寿者といいます。その人たちにはある共通点があることを知っていますか?

杖をつく老人
写真=iStock.com/Evrymmnt
100歳を超える人が持つ「特徴」(※写真はイメージです)

それは、インスリンです。

糖を細胞に取り込むホルモンである「インスリン」の血中濃度が低いという共通点があるのです。

アメリカのボルチモアで65歳以上の男性を対象に、25年間行われた研究があります。それによれば、100歳を超える人が多い地域ではインスリンの濃度が低く、糖尿病が少ないこともわかっています。

インスリンといえば、糖尿病とセットで語られることが多いものでした。インスリンの効きが悪いと糖が細胞の中に入れず、血中に糖が溢れます。それが糖尿病の名前の由来です。

しかしインスリンの大切さは、糖尿病だけに限りません。インスリンが細胞の受容体にくっつくことで、さまざまな連鎖が起こります。その流れの中で長寿や老いに関わるセンサーが刺激を受けるのです。

この一連の流れをインスリンシグナル伝達系といますが、これが不老長寿の鍵と言えます。

糖尿病の話によく出てくるインスリン。でも今一つよくわからない、という人も多いのではないでしょうか。

インスリンとは平たく言えば、「鍵」のようなものです。

細胞にはドアがあって、インスリンという鍵が差し込まれることで開き、ブドウ糖が細胞の中に入っていくことができます。中に入ったブドウ糖は主にミトコンドリアの中でエネルギーを生みだすために使われます。