情報伝達は「鮮度」「濃度」「精度」が命

組織の中では、至るところで情報伝達が発生します。

その際、自分が最初の情報源となって発信することもあれば、中継ポイントとして発信することもあるでしょう。どのような場合であれ、情報発信には重要なポイントが3つあります。

・ポイント① 鮮度
・ポイント② 濃度
・ポイント③ 精度

です。順を追って説明しましょう。

ポイント①「鮮度」:情報の新鮮さ、速報性

どんなに重要な情報でも、必要なタイミングに間に合わない情報は意味がありません。また、間に合ったとしてもギリギリになっては、その情報はほとんど役に立たないこともあります。

例えば、あなたが情報の中継ポイントで、その情報を得てから次の人に伝えるまでに、3日かけてしまったら、次の人の動きだしは3日遅くなります。

これは、役職が上がるほど、チームに大きな影響を与えます。なぜなら、メンバー全員の動きだしが丸3日、遅れることになるからです。情報は新鮮であればあるほど、価値が高いのです。できるだけ早く伝えるべきです。

レベルアップするほどコミュニケーションの質が重要

ポイント②「濃度」:情報の密度、量

情報における濃度とは、そこにどれくらいの情報量が詰め込まれているかという「密度」を意味します。

濃度は、高いほうがいいというわけではありません。情報量が多すぎると、理解するのに時間と労力を要してしまいます。逆に、情報濃度が低すぎると、そもそも何を言いたいのか伝わらず、意味をなさなくなります。

情報を発信するときは、相手や目的を考慮し、適切な情報量に調整するようにしましょう。

ポイント③「精度」:情報の正確性、信用度
木部智之『入社1年目のビジネススキル大全』(三笠書房)
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当たり前ですが、情報は正しくなければいけません。

間違った情報から正しい判断や結果を生みだすことはできません。

しかし、その当たり前のことを確実に実行するのが、意外に難しいのです。ちょっとしたニュアンスの違いで、情報が間違って伝わってしまった、ということはあなたにも経験があるでしょう。

仕事で関わる人が多くなったり、組織が大きくなればなるほど、「情報伝達」の質がカギを握ります。あなたが近い将来、リーダーになったとき、その重要性を実感する場面が出てくるに違いありません。

来るべきその日のために、今から、「鮮度」「濃度」「精度」の質を高めるコミュニケーションのトレーニングをはじめましょう。そうすれば、リーダーになったときも困ることはありません。

質の高いコミュニケーションで、すばらしいチームをつくることができるはずです。

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