アピールのために専門用語を使うのは逆効果
最適なコミュニケーションツールを決めたら、次は「言葉」も選びましょう。
例えば、あなたは次の言葉の意味がわかるでしょうか。
「対外IF部分については、既存機能の踏襲なので、ソースをマイグレーションして、現新処理のアウトプットのコンペアでUTとしての品質を担保します」
私はシステム開発の仕事をしているのでわかりますが、そうでない人には全く伝わらないでしょう。
このように、コミュニケーションでは相手に合わせた言葉選びをしなければいけません。専門用語は、知らない人にとっては外国語と同じです。自分の専門領域の用語で説明しても、必ずしも相手には伝わらないのです。
自分がいかにその道のエキスパートであるかをアピールするために、わざと専門用語を使いまくる人がいますが、それは間違いです。難しい専門的なことを平易な言葉で説明できるほうが専門性を評価され、信頼を得ることができるのです。
以前、知り合った会社経営者は、「自分の仕事について専門用語を使わずに説明するために、専門的なことを知らない奥さんを相手に練習をした」と言っていました。
しかし、逆の場合もあります。
私が携わったシステム開発プロジェクトでは、お客様の部長がシステムに非常に詳しい人でした。その人に報告する際は、私はかなり突っ込んだ技術的なことまで報告していました。それが、その方から信頼を得る方法だったからです。
「視線」を意識して、相手の「反応」をキャッチする
また、こちらが説明をしているときに、相手が内容を理解できていないようなそぶりを見せることがあります。
その反応は、しっかりとキャッチしなければいけません。
キャッチした上で、「どこか説明が至らないところはありますか?」「ここまでで何かご不明な点はございますか?」などと、その場で相手の反応に合わせて対応するのです。それに気づかずにプレゼンをやりきったとしても、そのプレゼンには何の価値もありません。
私は説明を受ける立場になることもたくさんあります。そのとき、相手がこちらの目を見ていないとすごく気になります。目を合わせないというのは、どことなく自信がないように見えますし、印象もよくありません。
相手の目をずっと見続けることは、相手にとっても負担となりますが、要所要所で、相手の目を見ることを意識しましょう。相手の目を見て話すのは、コミュニケーションの基本です。相手の目を見るからこそ、その反応も敏感に感じ取れるのです。