アメリカのZ世代にとって、ワインはもはや金融商品

アメリカがITバブル、金融バブルで沸く好景気の時代、オークション会場では飛ぶ鳥を落とすが如く、カルトワインが次々と高値で落札されていきました。

ミレニアムで沸いた2000年の幕開けを記念して、アメリカではシャンパンブランドの大々的なプロモーション合戦が繰り広げられました。

店頭やオンラインのシャンパンはほぼすべて完売状態となり、オンラインオークションでシャンパンが高値で取引される事態となりました。

シャンパンの高騰を目の当たりにした人々は、「ワインは単なるお酒や嗜好しこう品」という概念から脱して、資産、投資としてのワインに関心を示すようになりました。

ワインは金融商品と同等に扱われ、高級車や不動産以上の価格で取引される時代になったのです。

金と銀
写真=iStock.com/adventtr
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アメリカの経済誌は、ワインは資産価値を持つアイテムであり、S&P500に比べより良いパフォーマンスであることを証明しました。

ITの知識を持ち、投資に興味のある若者たちは気軽に少額からワイン投資が可能なプラットフォームを開発し、将来性のあるビジネスとして大きな投資を集めました。着々と会員を増やし盛んにワイン投資が行われています。

彼らは自分たちの生まれ年より古い1982年産ボルドーを優雅に飲むということに興味はなく、82年産ボルドーの現在の価値とそのリターンに興味を持っています。

環境に優しく生活に配慮したワインも主流に

また一方でヘルシー志向の若者たちは、高額すぎるカルトワインやワイン投資に興味を示さず、評論家の点数に右往左往しないこだわりのある生産者を好みます。

彼らの中では、ナパの一等地一辺倒で生産するカルトワインに代わり、産地にこだわらず、様々な土地で有機農法でぶどうを育てトレーサビリティーとサステイナブル(持続可能性)を重視した、環境に優しく生活に配慮したオーガニックやビオワインが主流となっています。

若い世代にサポートされ独自のスタイルを持つ第3波「サードウェーブ・ワイン」の生産に高い注目が集まります。

一流ブランドのワインよりもオリジナリティーのあるプライベートブランドを好むZ世代の市場を見越し、ワイナリーへのクラウドファンディングも積極的に行われています。

法律や制約の縛りが少ないアメリカだからこそ、自由な発想で様々なスタイルのワインが造られます。またITやVRなどを駆使したワインビジネスも生まれ、今後ワイン文化の流れが変わろうとしています。

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