次の展開もすでに準備

なにげなく食している夜鳴きそばにここまでのこだわりがあったとは! ただ、ひとつ気になったのは、第2章でも書いたように「大盛りでお願いします」と注文するお客さんがいて、スタッフも即座に対応していたこと。どこにも「大盛りOK」という文言はないのだが、これは裏技なのだろうか?

「もちろん、そういった注文にも対応させていただいていますが、そうした表記がないのは、私共としましては大盛りを推奨していないから、という理由になります。先ほど、お話ししましたように全体のバランスを考えた上での盛り付けとなっているので、大盛りにするとそのバランスが崩れてしまうんですね。だから推奨できません、ということで、どうしてもお腹が空いて、もっと食べたいという方は、大盛りではなく、ぜひ“おかわり”をしていただければ、と思います」

「実はリゾートホテルでは別の味の夜鳴きそばも提供しています。いずれ、それがドーミーインに登場することもあるかもしれません。フロントで配っていたカップラーメンの『ご麺なさい』は現在、提供をストップしていますが、代わりにお部屋へのテイクアウト対応をさせていただいております。もっともサービス自体を廃止したわけではなく、すでに次の準備をしています! どうぞお楽しみに」

コロナ禍で利用者が増えたという夜鳴きそばのサービス。全国どこに行っても変わらぬ味の裏では、これだけのこだわりとさらなる進化のための研鑽けんさんが続けられていた。これがあったかさの秘密、である。

大浴場にも想像を超えた「こだわり」が

「ドーミーインといえば大浴場」と誰もが思い浮かべるぐらいの代名詞になっているサービスではあるが、大浴場を目当てに宿泊してくれた方が「ちょっとがっかり」と思ってしまったら、次は泊まってくれなくなる。代名詞だからこそ、これまで以上にこだわっていく必要がある。

「ひとことで言えば“ほかにはない大浴場”ですよね。そこは本当に徹底的にこだわっています。新規オープンする施設であれば、ほかのホテルとの差別化を図るために大浴場全体のデザインから検討します。もちろん、最優先するのは“使い勝手”のよさ、ですよね。いかに快適に利用していただけるかを念頭に置いて、ひとつひとつこだわっています」