人生を変える「転職の失敗」を回避するための注意事項
こうした失敗をしないためにはどうするか。数社の人事部を渡り歩いた経験のあるA氏(42歳)は「相手の責任者の言質を取ること」だと言う。
「正直言って入ってみないとわからないことも多い。入社前はエージェントも相手の人事担当者もこんなことができますよと言うが、実際に入ると、そんな仕事は期待していなかったというのはよくある話だ。入る前に自分がやりたいことの最低限の仕事についてきっちり言質をとる。しかも口約束であっても人事部門の責任者と話をすることだ」
また、エージェントから求人案件を持ち込まれたときの注意点として、こうアドバイスする。
「求人企業の中途採用グループのマネージャーから依頼を受けた案件なのか、それとも人事のトップが動いている案件なのかをチェックすること。
もし、採用マネージャーの案件で面談すると、仮に求職者が優秀だと『将来この人は自分の上になるかもしれない』と思い、いい顔をしない。実は自分も前職でそういう面接を経験したことがあるので気持ちはわかる。採用担当者の思惑で入社後に不利な状況に置かれる可能性もあるので、よく観察したほうがよい」
本当にマッチングが成功するかどうかは、どんなに事前にリサーチしても入社してみないとわからないのが実情だ。
その最たるものが「人間関係」だ。
仕事の成果は上司やチームの協力・連携で成し遂げるものだ。上司やチームとの関係が悪化すれば転職は失敗に終わる。
エン・ジャパンの「職場の人間関係」調査(2022年2月4日)によると、転職先での人間関係に不安を感じている人の割合が87%と高い。
特に誰との関係に不安を感じるかの質問では「直属の上司」(81%)、「先輩」(71%)、「同僚」(67%)が突出している。直属の上司は全世代を通じてトップだ。新卒社員が恐れる「上司ガチャ」は中途採用でも同じなのだ。