クルマの中にいたほうが安全なケースもある

クルマを路肩に止めた時にもう一つ欠かせない行動は、後続車への合図だ。ハザードランプを点灯させ、三角停止表示板(高速道路などで停止した場合は表示義務がある)をトランクから出し、クルマの100mほど後方に表示板の足を広げて倒れないように設置する。

赤い緊急停止標識と壊れた銀色の車
写真=iStock.com/PhanuwatNandee
※写真はイメージです

高速道路上でクルマから降りることは非常に危険なことだ。だから三角停止表示板を設置するときも表示板を広げて後続車から見えるように持ち、気をつけながら歩いていく。ドライバーがいない間に同乗者が車外に出ないように伝えておかなくてはならない。

まだ電光掲示板やラジオの交通情報で止まっているクルマがいることを告知できていない段階では、後続車が知らずに向かって来るからオレンジ色の炎が目立つ発炎筒を使うことも有効だ。

夜間はテールランプをボーッと見て走っているドライバーが、路肩に止めたクルマに向かってきてぶつかるケースも多くあるという。クルマを止めたときにルームランプを点灯しておくと後続車から見て異常だと思え、単なる先行車と見誤る可能性が減るそうだ。

路肩に止めていても車外にいると後続車がぶつかってきて挟まれるというケースも多いから注意しなくてはならない。何も防御がない生身ではねられるより、クルマの中のほうが安全なのだ。事故に驚いて慌てて車外に飛び出したり、相手車両の人と道路上で話し合いをしたりするのも極めて危険な行為となる。

ガードレールの外側に出るときは注意が必要

路肩に止まっているクルマにぶつかってくるケースでは、重量が軽い小さいクルマは不利になる。相撲でもわかるが、重い力士と軽い力士がまともにぶつかったら、軽い力士は飛ばされてしまうのだ。

車内で待っているのが不安ならガードレールの外側がいい。また事故により車内にガラスが散乱しているなど乗っていられないケースもある。ガードレールの外側に行くにしても十分安全確認してクルマから降りる必要がある。

車内が安全なのかガードレールの外側が安全なのか、その判断は難しい。雨が降っているとガードレールを乗り越えるときに足が滑って転落することもあるから気をつけなくてはならない。高齢者や車椅子の人では乗り越えられない場合もある。

ガードレールの外側に行く場合は、立つ場所があるかどうか確認してからガードレールを越えた方がいい。高速道路は高架や土手の上のところも多いし、下が川や海の橋の上ということもある。真っ暗な中でガードレールを飛び越えたら崖下にダイブなんていうことにならないように。

このようにいろいろなことを考えなくてはいけないから事故は起こしたくない。自分が悪くなくても、相手に落ち度があっても、事故を起こさないのが「うまいドライバー」だ。

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