最新型のクルマは便利なSOSボタンを装備

クルマを安全な場所に退避させた後、最優先となるのは人命救助の手配だ。もし負傷している人がいれば119番に電話をして救急車を要請する。昔なら路肩に設置してある非常電話を使ったが、最近はほとんどの人がスマホを持っているのでクルマの中から電話できる。

このとき場所を伝えなければならないが、高速道路名、上り線か下り線か、キロポストの数字を要領良く伝えること。キロポストとは距離標とも呼ばれるもので、その高速道路の起点から何km地点かを示す。小さな表示板だが路肩や中央分離帯のガードレールの上に100mごとに立っているから走りながらでも見ることができる。小数点以下1桁まで表示されているから0.1km単位で場所がわかる。

最新型のクルマにはルームミラーの上あたりにSOSボタンが装備されている。これを押すとオペレーターにつながりハンズフリーで話ができるので救急車を頼むこともできる。

車内の天井フロント部に取り付けられているSOSボタン。メーカーによって名称や形状が異なる
筆者提供
車内の天井フロント部に取り付けられているSOSボタン。メーカーによって名称や形状が異なる

エアバッグが展開するような大きな衝撃があった事故では、ドライバーが気を失っていることも考えて自動的に救急車を手配してくれるシステムを持ったクルマもある。この場合、GPS機能を使って特定した場所のデータをクルマからオペレーターに送ってくれる。

むやみにクルマから降りると自分が被害者に…

事故の場合には警察にも届けなくてはいけない。救急車の手配をすると警察とも連携してくれるが、救急車が必要のない場合にはドライバーか同乗者が警察に連絡しなくてはならない。

スマホから掛けるなら警察110番や救急119番だけでなく、道路緊急ダイヤル♯9910でもつながる。道路上に落下物がある場合もこの道路緊急ダイヤルで知らせることができる。

通報後、救急車やパトカー、あるいは高速道路会社の車両が到着するまでの時間は、場所や時間帯によっても異なるが10分から20分あれば来てくれる。ガソリンがなくなって止まってしまった場合にはJAFのサービス隊を呼ばなくてはならないが、それでも30分から1時間程度で駆けつけてくれるはずだ。