2ちゃんねる創設者のひろゆきさんは「論破王」と呼ばれるほど討論に強い。心理カウンセラーのみきいちたろうさんは「それは論理やメンタルが強いからではない。ひろゆきさんは、相手の言葉をうまく受け流し、自分のペースに持ち込む『スルースキル』を持っているからだ」という――。
「人の話を聞くことは大切だ」という幼い頃からの“呪い”
私たちは、「人の話を聞くことは大切だ」と、子供の頃から教わってきました。進学や進級の際に親から言われるのは決まって、「先生の話をよく聞くのよ」ということです。
さらに、高校や大学受験の国語や英語の読解問題では、問題文を正しく読み取ることが求められます。子供の頃からの教育もあり、言葉を正確に受け取らなければならないということは私たちに染み付いています。
そうした“教え”からすればスルースキルというのは逆張りの、極端な方法でしかないように見えます。あるいは、ひろゆきさんのようなメンタルが強い人や特別なポジションにいる方のみができる芸当のように思えます。
真面目に話を聞いているのになぜ怒られてしまうのか
もし、「人の話を聞くことは大切だ」「言葉を正確に受け取らなければならない」という“教え”が正しいのであれば、それをしっかりと実行していけば成果が得られるはずです。
しかし、なかなかそのようにはなりません。
特に職場などで、上司や顧客の話を真面目に聞いて振り回されて困った、という経験はないでしょうか? それどころか真面目に聞いているにもかかわらず「私の話をちゃんと聞いていない」と、怒られたりするケースもあるでしょう。
適当に聞いているだけの先輩が評価されたりする。なんで? と戸惑うしかありません。
さらに一生懸命に話を聞こうとすると「自分の頭で考えろ」と怒られる始末。“教え”どおりに人の話を正確に聞き取っていれば評価されるはずですが、そうはならないのです。