挑戦の物語が、応援したくなるファンを増やした
しかし、けやき坂46はそんな苦境から、自分たちの力で存在理由を切り拓いていった。その、作り物ではないリアルな挑戦の物語が自然とファンに共有されることで、彼女たちの姿を見て応援したくなり、そして自分も頑張ろうと思うファンが後を絶たない特別な存在になったと言えるだろう。
活動の機会が限られるからこそ考え抜き、貴重なチャンスに全力で挑んでファンを開拓していった。また、ファンと接点を持てるリアルとネットの機会を大切にし、強固な関係を築いていった。歌う・踊るというアイドルの本業以外でも、バラエティ番組などに常に全力で挑戦する姿は、視聴者はもちろん、共演者やスタッフまでを「挑戦を応援したいと思うファン」に変えた。苦悩する姿や思いをさらけ出し、東京ドームでのライブ公演という大きな目標をファンと共に目指す。その挑戦の物語を知るほどに、羽ばたいて活躍する姿を応援したくなるファンが増えていった。
「友情・努力・勝利」を体現するような生きざまを見せながら、ファンと共に成長を遂げ、武道館でのライブ公演を成功させたり、自分たちの冠番組を持ったりして、結成から3年越しで日向坂46に改名し、正式なデビューへ辿り着いた。その後、曲のヒットや紅白歌合戦出場などの音楽面での活躍はもちろん、バラエティやモデル、芝居、ラジオ、ゲーム、スポーツなど活躍の幅を広げ、デビュー3周年の2022年3月には悲願だった東京ドームでのライブ公演を達成した。それでも、日向坂46はアイドルとしてのゴールをはるか先に掲げて、さらなる成長と活躍を続けていくだろう。