仕事のできる人と、そうでない人は何が違うのか。精神科医の樺沢紫苑さんは「仕事のできる人は、思考を自分の言葉で表現する言語化能力に長けている。そうした言語化能力は毎日のトレーニングで伸ばすことができる」という――。(2回目)

※本稿は、樺沢紫苑『精神科医が教える 毎日を楽しめる人の考え方』(きずな出版)の一部を再編集したものです。

映画館で映画を見て楽しんでいる若い女性
写真=iStock.com/MixMedia
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映画は「見終わった後」がなによりも楽しいと私が話すワケ

私は映画が大好きです。そして、本書の中でも「映画鑑賞」は、もっともお勧めの娯楽の1つとして、何度も登場しています。

しかしながら、映画館で映画を見て、「あー、おもしろかった」で終わってしまっては、それは「受動型娯楽」であり「インプット型娯楽」でしかないのです。

「あー、おもしろかった」だけだと、2時間の間はハッピーかもしれませんが、1カ月後にその内容を、すっかり忘れているかもしれない。そうすると、自己成長につながるはずもなく、もったいないのです。

私はいつも、「映画を見たらアウトプットしよう!」と言います。

映画を見たら、一緒に映画を見た、友人、恋人、家族と、その内容について話す。自分の感想を文章にまとめて、SNSやブログに投稿してみる。その映画から得た気づきをメモやノートに書いてみる。

アウトプットでも大きな喜びを感じられる

多くの人は、「映画を見ている最中が楽しい」と思うでしょうが、私は「映画は終わった後が楽しい」が持論です。その映画について、ほかの人と話す。

その映画のわからない部分をネットで調べて「謎」が解明され、「ああ、そうか」と腑に落ちる。その作品の製作秘話を読んで、「そんなに大変な作業で撮影されているのか」と知る。

あるいは、その映画の感想を文章にまとめて、ブログやメルマガに公開する。自分の頭の中が、客観的な文字列に置き換わっていく。

アウトプットの1つ、「言語化」は、最大の快感です。自分が思っている通りの文章が書けたときの喜びは、非常に大きいです。