代謝のいい「超高級スポーツカー」へ生まれ変われ

あなたは、日々三度の食事をとるとき、空腹感を覚えているだろうか。それとも、食事の時間だからと、なかば義務的に食べているだろうか。

毎日パソコンとにらめっこをして、運動はほぼゼロ、という生活を送る現代人は多いと思う。このような生活をしていると、昼休みにお腹が空かないという人もかなりいるはずだ。昼休みにおにぎりを2個も食べれば、夜まで持つという人も多いことだろう。

これは車にたとえれば、少しのガソリンでいつまでも走れる軽自動車のようなものだ。

自分の体がそんな軽自動車状態だとしたら、これからは高級車に生まれ変わるというイメージを描いてほしい。それも、1台何千万円もするような、ポルシェやフェラーリなどの超高級スポーツカーだ。

これらの車は、エンジンが大きくて排気量が多い。ちょっとアクセルを踏み込むだけで一気に加速する。人間で言えば代謝がいい状態だ。つまり、代謝のいい体を目標にするということだ。

夜に台北の街をクルージングするフェラーリ
写真=iStock.com/petesphotography
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代謝とは、簡単に言えば食べたものをエネルギーに変える力のこと。

たとえば、毎日野球部で汗を流している高校生は代謝がいいので、おにぎりを2個食べても1時間後には「なんか腹減ったな」と言い出す。フェラーリやポルシェも、「あれ、このあいだ給油したばっかりなのに、もうガソリンないの?」と驚くほど燃費が悪い。燃料をすぐに使いきってしまうのだ。

みなさんの多くは、デスクワークが中心で、あまりお腹が空かない軽自動車状態だと思う。本当はお腹が空いていないけれど、食事の時間がきたから食べるとか、ストレス解消のために必要以上に食べるという人が多いのではないだろうか。

運動習慣のない人は、体は疲れていないのに、脳は食べ物を欲する。だから食べるのだが、食べたものがエネルギーとして使いきれないので、脂肪として体に蓄積されてしまう。

だが、筋肉をつけていけば、エネルギーをちゃんと燃やすことのできる体になって、健康な空腹感を覚えるようになる。

それが代謝のいい体になるということだ。

「寝ているだけで痩せる」

では、私たちの体はどこでこの代謝を行っているか、ご存じだろうか。

実は、これは筋肉で行われている。だから筋肉量の多い人はそのぶん代謝が盛んになるので、太りにくく痩せやすいのだ。

ここまで読んで、「筋肉をつけて代謝がよくなると、同じ運動をしてもそれだけ多くのエネルギーを燃やすことができる」ということがおわかりいただけたと思う。

これは運動時に限ったことではない。

あなたは、「基礎代謝」という言葉を聞いたことがあるだろうか。

最近は、体重計などにも基礎代謝を測定できる機能があるため、ご存じの人が大半だろう。

私たちの体は、運動しているとき以外にも、心臓を動かしたり、胃や腸で食べたものを消化したり、呼吸をしたり、体温調節をしたりといった、生命維持活動にもエネルギーを使っている。

この生きていくために最低限必要なエネルギー量を「基礎代謝」と呼ぶ。

筋肉がつくと、基礎代謝が上がる。つまり、寝ているときでもより多くのカロリーを消費することができるようになるのだ。

「寝ているだけで痩せる」

筋肉をつけ、基礎代謝を上げると、こんな夢のようなことが可能になるのだ。もちろん、「私は痩せたいのではなく、筋肉をつけて体を大きくしたいんだ」という人もいるだろう。実はこの場合も、代謝をよくするのが早道だ。

いままで食が細くて量を食べられなかったという人も、筋肉をつければ代謝が上がるのでお腹が空きやすくなり、どんどん食べられるようになる。食が進めばどんどんトレーニングをして、さらに体を大きくできるようになる。

筋肉をつける→代謝が上がる→食べられる量が増える→より重量を挙げられるようになる→より筋肉がつくという、理想的なサイクルがまわり始めるのだ。

つまり、体を大きくするにせよ、スリムになるにせよ、筋肉をつけて基礎代謝を上げることが大事だということだ。