メディアや報道も政治に影響を与えている

ぼくは印象やイメージの影響に関心を持っています。情報番組やワイドショー、SNSでの論調のようなものです。

西田亮介『17歳からの民主主義とメディアの授業 ぶっちゃけ、誰が国を動かしているのか教えてください』(日本実業出版社)
西田亮介『17歳からの民主主義とメディアの授業 ぶっちゃけ、誰が国を動かしているのか教えてください』(日本実業出版社)

最近だとリアリティ・ショーの出演者がネットの誹謗ひぼう中傷を苦にして自殺した「テラスハウス」事件がありました。

人が亡くなると、日本の社会に大きなインパクトを与えますね。ネットの誹謗中傷対策が、政治の世界や外資系のプラットフォーム事業者も巻き込む形で一気に進みました。ネットの誹謗中傷は前から認知されていた問題です。

SNSや検索サイトを運営する外資系のプラットフォーム事業者は日本の規制や所轄官庁に対して日本的に言えば大変不誠実で、のらりくらりとしか対応しないのがつねですが、亡くなった方が出てしまったことで世論の関心が著しく高まったととらえたようです。他にも働き方改革を巡る問題でも、電通の若い女性社員が亡くなる事件がきっかけになって、労働環境改善とか、ワークライフバランスということが強く言われるようになりました。

なので、政治を動かすのは必ずしも投票率には限らないというわけです。

ワイドショーや視聴率が高い情報番組で繰り返し取り上げられるなど、そういったことも政策や政治に影響を与えます。「劇場型政治」などと呼ばれています。

また、世論の反応や受け止められ方を分析して、コミュニケーション戦略を設計する専門家のことを「スピンドクター」などと呼びます。

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