投票率が下がると、一般の人たちの声が反映されにくくなる

投票数についてお話ししましたが、では、「投票率が高いほうがいいのか、低いほうがいいのか」と言ったときに、低いとどうなるのでしょうか。

投票率が低くなると、一般の人たちの関心や声よりも、いつも投票する人たち、政治に対して強い利益関係がある人たちの声が反映されやすくなります。利益団体、業界団体や、政治を強く支持しているような宗教団体ですね。これは要するに創価学会のことです。

経済団体もそうです。日本で最大の利益団体である日本経済団体連合会、通称経団連は社として加盟し、経済同友会には経営者が個人で加盟します。とくに経団連は政策評価を行ない、政治献金や票の取りまとめをします。医師会も同じです。

野党の側に目を向けてみれば労働組合や、そのナショナルセンターである日本労働組合総連合会(連合)があります。産業別労働組合は候補者を擁立し、国会に議員を送っています。業界団体や労働組合から出る政治家を「組織内候補」や「組織内議員」と言います。低投票率下においては、前にも少し述べましたが、そういう政治に関して強い関心を持っている人たちの声が当然議席に反映されやすくなります。

横断歩道を渡る人々
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天候と投票率の関係では「くもり」がちょうどいい

2000年代に森喜朗総理が「無党派層の有権者は寝ててくれればいい」というようなことを口走り、非難が集まりました。

自民党の評判が悪い中、選挙に一般有権者の声が反映されると政権党である自民党にとって不利だからです。だけれども投票日に寝ててくれれば、自民党のいつもの支持層が投票するので、有利になるという主旨です。たしかにそのとおりなのですが、正直すぎますね(笑)。

他にもたとえば天気や気温が投票率に影響することが知られています。天候が悪いとやっぱり投票率が下がる傾向にあります。

でも、天気がよくても外出してしまったりして投票率が伸びるわけでもありません。天候と投票率の関係で言えばくもりくらいがちょうどよいようです。