子供にワクチン接種をさせるべきなのか

私は、コロナウイルスに感染してしまったほうが有益性が高いと思っています。パンデミック初期のコロナウイルス感染をするとその免疫が長期にわたって維持され、その後の変異株への再感染を防御するという報告が東大の研究グループからなされました(注6)

この点からも、私は感染を恐れず休園・休校などせず、普通の生活を続けることが重要だと考えています。具合が悪くなければ検査も不要です。陽性だったとしても健康に影響なければ「病気でなければ」放置すべきです。

陽性者を減らすことを目的とするワクチン接種は必要なのでしょうか。結論から言えば、子供たちにワクチン接種を強要するべきではありません。

「病気にならない」ウイルスの陽性者を減らすために、ワクチンを打つなんて愚の骨頂です。ワクチンは、発症すると健康被害が出る病気の予防のためにあるのであって、無症状の陽性者を減らすために接種するものではありません。

コロナウイルスワクチン接種のための予備検査フォームとボールペン
写真=iStock.com/tamaya
※写真はイメージです

しかも現在の遺伝子RNAワクチンは、短期間で緊急承認され長期の有害事象観察の治験中のため将来の安全性が確認されておらず、厚労省が現時点では「小児における、オミクロン株に対するエビデンスは必ずしも十分ではありません」と明記しています(注7)

前述の川上医師は、基礎疾患のある子供などへのワクチン接種の意義を強調しつつも、「やりたくない子に同調圧力をかけてまでやる必要はないのではと多くの小児科医が考えていると思う」と述べています(注3)

また、「これから先も変異株が次々出てくる可能性を考えた時に、いつまで子供たちが行事もできず、マスクをしたままの状態で生活をし続けなければならないのか。どうしたら子供の健やかな育ちを保証してあげられるのかを大人は考えなければいけないと思う。そこが一番の課題だと思う」と指摘しました。

同調圧力で打つのは間違っている

もう一歩踏み込んで、私は、コロナ被害のない子供へのワクチン接種はことさら有害でしかないと考えています。さらに「抗体の性能はワクチンではなく、新型コロナ感染後の方が優秀である」(Antibodies perform best after Covid infection, not vaccine)という報告もあります(注8)

人間は、実際に感染するとウイルスが持つさまざまなタンパク質に対してさまざまな免疫を作ります。多様かつ重層した免疫で、細胞性免疫も誘導されます。さらにウイルスには変異しても不変な部分が存在するので、ウイルスの変異に強い免疫になります。人類はそうやって数多くのウイルスが存在する中を生き延びてきました。