「第3次世界大戦の不安と恐怖」30代女性の投稿への僧侶の回答

そうした不安の受け皿が、ネット上にもある。「僧侶が答えてくれるお悩み相談サイト hasunoha(ハスノハ)」では、「戦争が怖い、不安でどうしようもない」といった僧侶への相談が日々、増えてきている。そこには切実な訴えが綴られていた。

「少しでも情勢を理解しようと、いろいろ調べていたら、たくさんの怖い記事を見つけ読んでしまいました。第三次世界大戦、核戦争、恐怖はどんどん膨らみ、不安と恐怖で一日手が震えています。一度ネットから離れなければと思い全ての通知をオフにしてみましたが、それでも不安は膨らんでしまいます。

この道を散歩するのは、もう今日が最後なのかもしれない、といったように考え涙が止まりません。追い詰められ絶望を感じています。どうか、前向きになれるアドバイス、死を受け入れられるアドバイスを頂ければと思います」(一部、30代女性)

「先進国同士の大きな戦争に激しく動揺しています。私は子供の頃から戦争が本当に恐ろしく、家族や自らが無事であるようにずっとお祈りをして生きてきました。

現地の方が苦しんでいるニュースに接し、私はいても立ってもいられないほど苦しく、恐ろしいです。実力主義の残酷な世界の中で、私のような弱い者は強者大国に震えながら生きていくしかないのでしょうか。どうか、この恐怖へのアドバイスを頂けますととても助かります」(一部、30代女性)

広島・原爆ドーム
写真=iStock.com/crsdsgn
※写真はイメージです

こうした相談に僧侶らは、このように回答している。

「私たちの世界では、嫌なこと、憎むべきこととも出会っていかなければならないという苦しみである『怨憎会苦おんぞうえく』があります。このような苦しみと出会わなければならないのが、この輪廻という世界。この輪廻から離れる方法、恐怖も含めていろいろな苦しみをなくすための方法が説かれてあるのが仏教です。是非、恐怖を打ち破るためにも、仏教を学びしゅうして頂くことをお勧め申し上げます」

「今の状況を冷静に見つめていき、改めて私達はどう考えてどう発言して行動していくことがよいかをしっかりと考え、検討して行動していく必要があります。『天網恢恢疎てんもうかいかいそにして漏らさず』(天の張る網は粗いようにもみえるが、悪いことを企む人間は必ず天罰を受ける)です。私達人間の所業を神仏も、あまたの先人の霊位もしっかりとご覧になっております」

コロナ禍に続いて、ウクライナ侵攻。先の見えない混沌とした状況が続く。こうした不安を癒やしてくれる場所が地域の寺社仏閣や教会。同時に宗教者は今こそ、その真価が問われているのだと思う。

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