表示される場所によって売り上げが数十倍違うことも
まだあります。「ショップで商品を販売する」というスタイルではなく、まずは商品があり、「商品をどこのショップから購入するのか」というUI/UX構成となっています。そのため、必然的に同じ商品を売っているサプライヤー同士が、同じページ上でライバルとなり、顧客に表示されます。
表示される内容は、価格だけではありません。これまでの販売実績、配送までの日数、顧客からの評価なども表示されます。その上で、評価の高いサプライヤーがトップに表示される仕組みとなっています。
トップに表示されたサプライヤーは、他のサプライヤーよりも売上が数倍から数十倍違うと言われています。そのためサプライヤーは、金額を安くすることだけでなく、顧客からの評価にも気を配る必要があります。
サイト上でこのような仕組みが構築されているため、サプライヤーはより良い製品を揃え、安価で提供し、迅速かつ正確に顧客に配送することができます。これらを実践した優良サプライヤーは、アマゾンのサプライヤー向けのプラットフォームを活用することにより、グローバルな展開を進めることもできます。あるいは、さらなる優良サプライヤーが参入してくることで、顧客はより良い商品を購入できるだけでなく、サポートの際でも、より良い価値を体験することができます。
顧客も販売者側も新たな発見を享受し続けられる
アマゾンのID標準化の仕組みを活用し大きく成長したサプライヤーがあります。たとえば、モバイルバッテリーやiPhoneまわりの充電ケーブルなど高品質かつリーズナブルなオリジナル製品を次々と展開している中国の深圳にある企業Ankerです。さらに、Ankerのように優良なサプライヤーを買収して成長するといった、アマゾン市場を活用して成長する企業も急速に伸びています。
そして、アマゾンへ出品することの閾値は、どんどん下がっています。
「Helium 10」というサブスクリプションサービスでは、アマゾンでの売れ筋発見から、調達、出品、維持向上していくためのツールがそろっています。その売れ筋を製造してくれる会社は、たとえばアリババのような中国のeコマースサービスで複数の候補を探し、その中から選択します。
アマゾンにサプライヤーとしてデビューしていく段取りがオンラインでできてしまいます。誰もがアマゾンを利用してビジネスを開始できるようになりました。そのアマゾン市場での淘汰と成長の中で、人々の創造性の発揮の場が広がり、アマゾンは補完効果を生むサプライヤーを追加、顧客は新たな発見を享受し続けています。