厚労省は女性介護スタッフへのハラスメントが多いと把握している
モンスター介護者に対応する職員の安全を守る方法はないのだろうか。Oさんは「非常に難しいですね」としばらく考えた後、こう答えた。
「医療、介護は中立公正が大原則です。どんな人でも平等にケアを受けられるという原則は崩したくありませんが、今回と同様の事件が再び起こったり、目に余るハラスメントが多発したりする状況が拡大した場合は、国がカスタマーハラスメントに関するガイドラインを作ることも必要ではないでしょうか」
「実はウチの事業所にもカスタマーハラスメントに対する独自のガイドラインがあるんです。利用者さんのひとりにクレームの電話を頻繁にかけてくる人がいるんですが、それに忙しい職員が長時間対応していたら仕事になりません。それでクレームの電話が1日1時間(1回20分以上かつ3回以上)を超えたらカスタマーハラスメントと認定するというルールを作ったんです。厚労省も実態調査をして、介護現場でハラスメントがあることは把握しているのですから、ガイドラインを作って、ハラスメントのレベルが一定のラインを超えたら支援を中断してもいいといった方策を一刻も早く考えてほしいです」