精神医療による貧困ビジネスの実態
以前は、精神病院への囲い込みが効率的で儲かる貧困ビジネスでした。身寄りのない人を精神病院にぶちこみ、生活保護の受給をさせれば医療費の取りっぱぐれがないため、不必要に長期入院させることで安定した経営が可能でした。まるで牧畜業だと精神病院は揶揄されましたが、その存在をありがたがる人たちがいました。治安維持や景観維持(ホームレス排除)、姥捨て山としての機能など、本来精神病院に任せるべきではありません。しかし、あえてその役目を半ば公然と引き受けることで成長してきたのが精神病院でした。
1980、1990年代になると精神病院内での暴力・虐待・支配・搾取が世間を揺るがすようになり、その元凶である隔離収容主義に対する国際的な非難が高まり、政府は長期的な囲い込みができないように政策を誘導せざるを得なくなりました。しかし、精神医療による貧困ビジネスがなくなったわけではありませんでした。さまざまな形態に変化し、現在に至ります。その形態の一つが精神科デイケアを利用した囲い込みなのです。この世界は、根本から変えない限りいつまでもいたちごっこが続くのです。