2020年(1~12月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった記事ベスト5をお届けします。健康部門の第1位は――。(初公開日:2020年12月9日)
ネットでは美容や健康、若返りなどさまざまな効果をうたうサプリメントが販売されている。飲んでも大丈夫なのだろうか。内科医の名取宏氏は「医療では補えない不安を解消したい人がサプリメントを買うのだろう。だがサプリメントはどんなに高価でも効果があるとは限らない」という——。
人間の健康と化学物質
写真=iStock.com/erdre
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効果があいまいなサプリメント

みなさん、水素水のことを覚えておいででしょうか。

コンビニなどで一度は見かけたことがあると思います。水素分子が有害な活性酸素と反応し中和することでさまざまな効果を発揮すると称されていますが、健康な人が水素水を飲用して健康にプラスがあるかどうかは、当時はもちろん、いまでも証明されていません。

ですが、効果があるかどうかわからなくてもブームになれば売れます。多くの業者がブームに乗っかって水素水を販売しました。医薬品と違って健康食品やサプリメントは効果を証明する必要がありません。

そのため、効果があやふやなまま多くの商品が販売されています。現在の流行りは「NMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)」です。

抗老化成分が含まれた「若返りサプリ」としてイケダハヤト氏などのインフルエンサーが販売していますが、現在のところ、動物実験レベルのデータはあるものの、実際に人間が服用して効果があるかどうかはわかっていません。

NMNが糖尿病をはじめとしたさまざまな疾患に効果があるかのように言われることもありますが、臨床試験で証明されたわけではありません。効果効能をうたってNMNを販売すれば「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」いわゆる薬機法に違反します。

NMNに限らず、さまざまな健康食品やサプリメントが売られていますが、どれぐらい効果があるのでしょうか。