家も「所有よりシェア」の時代に

今、人口の増加や暮らし方の変化により、地球環境への負担が大きくなっています。地球温暖化やごみの問題、生物多様性の危機など多くの環境問題が発生し、このまま何もしないでいると、生活に悪い影響をもたらし、取り返しのつかないことになるかもしれません。

私たちにできることは、これまで推し進めてきた過剰生産や過剰消費を見直すこと。人々の消費スタイルは徐々に単独所有から共同利用へと変化しており、シェアリング・エコノミーが確立してきました。

環境問題に対する危機感は若い人ほど敏感に感じているようです。エコやもったいない精神は小学校で学習することもあり、驚くほど身についています。

レンタルできるものはレンタル、購入はフリマアプリで中古品でも気にしない、自転車や車、洋服、バッグ、靴までも月額のサブスク(サービスを受ける期間に対して料金を支払うサービス)を利用し、「所有するよりシェアのほうがラク」といいます。彼らが「家を持つなんてナンセンス」と考えるのは時間の問題です。

今、賃貸派の人はラッキー。

一生賃貸というと、「高齢になると、家を貸してもらえない」と心配する人がいますが、高齢になると住みやすい老人ホームに移ったり、介護施設でお世話になる人が多いです。

もし、そうしたところに行かないにしても、賃貸経営は、空室が最大の恐怖。貸したいと思う若者は人口減少で少なくなるのですから、高齢者にも家を貸さなければ経営が成り立たなくなります。

高齢者向け施設も20年もたてば今のシステムではないはず。「おひとりさま」ならぬ、人生100年時代の遊び好きで体力のあり余った「おひとり老人」が街中を闊歩かっぽするのですから、80〜100歳が共存共栄できる、超進化系のシェアハウスのような形態が登場するかもしれません。

ただ、「一生、家賃を払い続けていけるかどうか心配」という人もいます。確かに、年金暮らしで家賃を払うのは大変かもしれませんが、マンションを持っている人も、管理費や修繕積立金、固定資産税は一生払っていきます。一軒家もいつかどこかにガタがきて、リフォームが必要になるでしょう。

日本はセーフティーネットが充実しているので、資産がなければ公営アパートという手もあり、老人でも借りやすいUR賃貸住宅も、空室が増えていくのが目に見えているので、更新料なしで借り放題です。

持ち家の呪縛から自由になる日は近いです。今、賃貸派の人は、住宅に関しては心配するどころか、ラッキーな状況となりそうです。