老後に受け取る年金で損しないためにはどうすればいいか。経済ジャーナリストの荻原博子氏は「年金は繰り下げ受給で最大184%になる。受け取り時期は選べるので、国民年金と厚生年金に分けて考えるといい」という――。

※本稿は、荻原博子『買ったら一生バカを見る金融商品』(宝島社新書)の一部を再編集したものです。

年金手帳を手に持つシニア女性
写真=iStock.com/banabana-san
※写真はイメージです

将来もらえる年金額は「ねんきん定期便」でチェック

漠然と「老後が不安だ」と心配するその前に、将来もらえる年金額がいくらになるか知らなければ事は始まりません。老後の生活費のうちのどれくらいを公的年金でまかなえるかは、これから貯めるべき老後資金にも関わってきます。

年金は、働き方によって入る年金制度が異なり、厚生年金なら収入によってもらえる額が決まり、また、日本の経済動向によってももらえる額が変わってきますが、現時点での「見込み額」は1円単位で知ることができます。

年に一度、誕生月にハガキで、35歳、45歳、59歳の年には封書で、日本年金機構から郵送されてくる「ねんきん定期便」には、あなたが長年納めてきた年金保険料の情報が記載されています。

また、50歳以上の「ねんきん定期便」には、現在の加入条件が60歳まで続くと仮定した年金の見込み額が記載されています。

50歳未満の「ねんきん定期便」には、これまでの加入履歴に応じた見込み額が記載されており、こちらは今後支払う年金保険料を考慮せず、これまでに支払った分だけで計算しています。