「ねんきんネット」の試算はやったほうがいい

もっと詳しく知りたい人は、日本年金機構の「ねんきんネット」を活用してください。「ねんきんネット」では、年金の加入記録、見込み額、電子版の「ねんきん定期便」の閲覧などができます。

サイト上で見込み額を試算することも可能。60歳まで現在と同じ条件で加入し続けた場合の見込み額や、自分で今後の加入条件を細かく設定した見込み額などを試算できます。

試算すれば興味深い数字が出てくることでしょう。「こんなに少ないなら、自分でお金を貯めなければ」、あるいは「意外と多いから、これなら暮らせる」のどちらかです。

利用するには登録が必要です。年金手帳などに記載されている「基礎年金番号」と「ねんきん定期便」に記載されているアクセスキー(有効期限が切れている場合は、ねんきんネットに接続して取り直せる)で利用申し込みを行い、交付されたユーザーIDとパスワードを登録して、利用しましょう。

現役時代にできる年金額を増やす方法

自分の年金額を増やしたければ、次のような方法があります。

厚生年金は収入を増やす、もしくは働き続ける期間を長くすると増えます。60歳以降も会社の継続雇用なら厚生年金に加入しなければならないので、その分受け取る年金額は増えます。

国民年金は、付加年金に加入する、未納期間があれば、60歳以降任意加入するなどの方法で増やせます。付加年金は、国民年金の保険料に月額400円を上乗せして支払うと、将来もらう老齢基礎年金に200円×付加保険料納付月数の付加年金がプラスされます。

例えば、10年間、月400円の付加保険料を払うと、4万8000円になりますが、老後に受け取る年金額は年2万4000円増えるので、2年で元がとれ、その後は長生きするほど丸々の儲けになります。

国民年金の加入期間は、基本的には60歳までですが、それ以前に未納期間があれば、60歳以降も任意加入して保険料を納めれば、加入期間を40年まで伸ばせて、将来受け取る年金額を増やすことができます。

年金の受け取り時期は自分で決められる

原則として公的年金の受け取り開始年齢は、65歳です。しかし、60歳から早くもらい始めることも、70歳から遅くもらい始めることもでき、受給開始時期は自分で決めることができます。

65歳前からもらう年金を「繰り上げ受給」といい、早い時期から長い期間年金をもらうことになるので、1カ月繰り上げるごとに年金額が0.5%(2022年4月1日以降、60歳に到達する人を対象として0.4%に改定)減額されます。

繰り上げ受給は、一度請求すると減額率は一生変わらないので、よく検討してから決断しましょう。

一方、65歳以降70歳までもらう年金を先延ばしすることを「繰り下げ受給」といいます。こちらは遅くから短い期間年金を受け取ることになるので、1カ月繰り下げるごとに年金額が0.7%増額されます。

例えば、1年繰り下げると8.4%、5年繰り下げて70歳から受け取るようにすると本来もらえる額の142%になります。