持ち家か、賃貸か。住まい選びでは何度も議論されているテーマだ。経済ジャーナリストの荻原博子さんは「持ち家の呪縛から自由になる日は近い。これからはマイホームは持たない人が人生の勝ち組になるだろう」という――。

※本稿は、荻原博子『買ったら一生バカを見る金融商品』(宝島社新書)の一部を再編集したものです。

明るく開放感のあるリビングルームで親子団欒
写真=iStock.com/kohei_hara
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人生をエンジョイするための家の選び方

もし、現在40〜50代で、家族がいるのに、未だに賃貸に住んでいることが恥ずかしいと思っている人がいたら、今日から大きく胸を張ってください。私は「持たないことは不幸ではない」と思います。

空き家の急増が広く知られるようになり、誰も住まずに朽ちていく家が問題となっています。

総務省統計局の「平成30年 住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家比率は昭和末期の1988年には9.4%でしたが、2018年には13.6%と約1.5倍に増えています。居住者のいない住宅が、約900万戸もあるのです(同調査は5年ごとに実施)。

考えてみれば、一人っ子と一人っ子が結婚し、マイホームを買ってしまったら、双方の親の家2軒が余ります。今の親は地方から都心に上京し、都心で結婚をして家族を築いているため、その子どもたちの実家は都心となり、その実家があと数十年後には空き家になってしまう可能性があります。

東京都でさえ空き家率10.6%ですから、これからの日本は、都心でさえ空き家が増えるのは間違いありません。

さらに、空き家の内訳を見ると、半分以上が賃貸用の住宅です。どうりでアパートの空室が目立つわけで、借り主から見れば“よりどりみどり”の状態になるかもしれません。

しかも、勤める会社にずっと通い続けられるかどうか、わからない時代になってきています。マイホームを持ってしまったらその場所から身動きができませんが、賃貸住宅なら子育て中は都心で家賃の安いところを渡り歩き、年齢を重ねるにつれ広々とした家に住める郊外や、空気がきれいな田舎暮らしなど好きな場所に引っ越せるので、人生をエンジョイできると思います。