抗体検査キットが無料で配布されている

コロナに対する具体的な予防策が「解除」に至った中、目下の拡散防止のカギとなるのは「混み合ったレストランには入らない」「ラッシュアワーの通勤はできるだけ避ける」、その上で「もしもコロナにかかってしまったら、感染者自身がそうだと自覚して自主隔離する」という行動を起こしてくれるか否か、にかかっている。

イギリスでは、抗体検査キット(7回分、写真)が街のクリニックに行けば無料で手に入る。取得のための事前予約は必要だが、事実上、欲しければいつでももらえる状態だ。つまり「具合の悪い人は、自分でテスト。もし陽性なら外へ出ないこと」とルール付けされている。

無料で配布されている抗体検査キット
筆者撮影
無料で配布されている抗体検査キット

1日当たりの新規感染者数が4万人、5万人と報告されるのはこうした無料検査の数字も加算されているという事情があるが、依然として高止まりの状況が続く理由は、ワクチン接種率が伸び悩んでいるという側面もある。未接種者がイギリス全人口の3割程度、数にして2000万人近くはいるとされ、こうした人々が何らかの形でウイルスの攻撃に遭ってしまっている可能性がある。

マスクをつけているのはアジア系ばかり

10月後半の週末、筆者は試しにロンドンの古くからの繁華街、オックスフォードサーカス周辺を2階建てバスの先頭に乗って歩道を行き交う人々の様子を眺めてみた。街行く人の大半はマスクをしているように見えず、たまに着用している人がいるとすれば、それは必ずと言っていいほどアジア系の人々に限られていた。アジアの各国が今もって「ノーコロナ」の意識が強めだという背景があるからかもしれない。

何万人もの感染者を出していながら、イギリスは欧州大陸からやってくる買い物客で連日にぎわっている。イギリスの欧州連合(EU)脱退「ブレグジット」により、EU市民がイギリスを訪れると免税ショッピングが楽しめる特典が今年に入ってから生まれたことも後押しとなっている。

バスで筆者と乗り合わせたスペインから来たという家族は「EUのワクチンパスポートさえあれば今やどこでも行けますよね。ロンドンは本来ならホテルが高いし、どこもかしこも混んでいます。旅行が解禁されたのだから、安いうちにこうして旅をしようと思っているんですよね」