こんな自分がイヤだ!②
始めたはいいものの、「そういえばあれも……」と気が散る

【こうすれば脳変】
指サックをつける

【応用例】
○ノートやペンを書き心地のいいものに替える
○下着を快適なものに取り換える

【脳が変わる理由】
・脳の前方連合野の働きを抑制して雑念をカット
・触覚を刺激することで集中力アップ

触覚を刺激すると雑念を抑えることができる

集中できずに考えごとをしてしまう場合は、指サックをつけて、脳に新鮮な触覚情報を届けましょう。たったそれだけで、普段よりもはかどるような感じがします。見たり聞いたり触ったりといった感覚をつかさどる脳の「後方連合野」が指サックによって刺激され、ぐるぐると考えごとをしてしまう「前方連合野」の働きを抑制してくれます。

人差し指
写真=iStock.com/Hana-Photo
※写真はイメージです

同じように、筆圧を感じやすい柔らかい下敷きを使ったり、ノートやペンを書き心地のいいものに替えることでも、触覚や手の筋肉の感覚を増強できておすすめ。

触覚は外受容感覚のなかでは唯一塞ぐことのできない感覚です。人との会話に集中できない、文章が理解しづらい、相手に対して否定的な感情が湧く……といった場合は、衣服の素材やフィット感が悪く、体や脳が不快感を感じている可能性も。肌に接している下着を快適なものに取り換えるだけで、改善するかもしれません。

【Keyword】
後方連合野
前方連合野

こんな自分がイヤだ!③
パソコンで書類を見ていたはずが、ネットサーフィンに

【こうすれば脳変】
書類は画面でなく紙で読む
ディスプレイから紙に変えるだけ! ポイントはまばたき

オフィスワーカーを対象にした調査で、「ディスプレイよりも紙のほうが没頭しやすく文章が読みやすい」という結果が出ています。要因として、紙の作業は両手で複数の文書を同時に処理できたり、操作位置への視線移動が不要という点や、集中を乱すツールバーなどの刺激がないことが挙げられています。

もうひとつ考えられるのは、ディスプレイでの作業だとまばたきが減り、脳内で情報処理を行う「デフォルト・モードネットワーク」が機能しづらいという点。まばたきは一瞬ですが、脳内では情報をまとめる重要な役割があるのです。

【Keyword】
デフォルト・モードネットワーク

※デフォルト・モードネットワークとは?
ボーッとしていると怠けているという印象を抱きがちですが、実は脳にとって大切な時間なのです。何もしていない時間に脳内では、デフォルト・モードネットワークという神経回路が働いて「まとめモード」のように情報処理が行われています。ここで情報がまとめられ、一見、関連がなさそうな情報が結びつくとひらめきを生み出してくれます。ボーッとしたり、単純作業をしている時間や、友人とたわいもない話をしているとき、一瞬ですがまばたきをしているときもデフォルト・モードネットワークに切り替わります。考えごとに行き詰まって息抜きをしたら突然アイデアがひらめいたりするのはこれのおかげなのです。