※本稿は、菅原洋平『「できない自分」を脳から変える行動大全』(扶桑社BOOKS)の一部を再編集したものです。
こんな自分がイヤだ!①午後は眠すぎて仕事にならない
昼休みに座ったまま30分以内の仮眠をする
【具体例】
○午後の眠気が訪れる前に仮眠する
○椅子の背もたれに寄りかかり、頭を起こして仮眠する
○「○分後に起きる」と3回唱えてから仮眠する
○昼休みは「計画仮眠」をした後に食事や会話をする
【脳が変わる理由】
・脳は起床から8時間後に眠気が訪れるようにできている
・眠気のピークが来る前に「計画仮眠」をするとよし
・座ったままで30分以内の仮眠をすると、午後の集中力が高まる
昼休みに「計画仮眠」を取れば午後もスッキリ!
午前中の作業に集中して交感神経だけを高めていると、口が渇いたり目が乾いたりしてきて、脳を休憩させないと午後に眠気が一気に襲ってきます。脳には起床時から「睡眠物質」が徐々にたまっていき、8時間後と22時間後(6時起床なら14時ごろと明け方4時ごろ)に眠くなる「睡眠圧」という仕組みがあります。
そのため、眠気のピーク時に居眠りをすると深い眠りに入り、起きても脳が働かない「睡眠慣性」という現象が起こってしまいます。ですから、脳が眠くなる前の昼休みに、「計画仮眠」を取り入れてみましょう。
仮眠は椅子に座ったまま目を閉じて、30分以内に収めるようにします。視界を遮断させることで脳が休憩状態になり、たまった睡眠物質が分解されて、仮眠後の作業効率が上がります。
それ以上寝ると深い睡眠に入ってしまうので要注意です。自律神経を味方につけるには常に先手を打つのが大事。正しい仮眠で午後の集中力を上げ、ついでに夜の睡眠の質も高めましょう。
睡眠物質
睡眠圧
睡眠慣性
計画仮眠
※睡眠圧とは?
人間の睡眠には、「睡眠圧」という仕組みがあります。目覚めている間、常に脳脊髄液には睡眠物質がたまっていきます。この睡眠物質がたまった状態が「睡眠圧が高まった」状態で、その日の睡眠圧が高いほど、その後の睡眠は深くなります。この仕組みはゴムの力で石を飛ばすパチンコに似ていて、ゴムを引っ張るほど飛ばす力が強くなるように、睡眠圧が高いほどよく眠れるのです。前日の就寝時間が遅かったにもかかわらず普段と同じ時間に起きると、睡眠時間が短い分、睡眠物質が分解されずに睡眠負債として残ってしまいます。睡眠圧がとても高くなって猛烈に眠い夜にしっかり眠れば、睡眠負債は解消されるのです。