200mlという容量はアレンジレシピに使いやすい
【吉岡さん】定番商品のリピーターに頼るだけではブランドが育っていきません。定番を守りつつも、トライアル(新規)を獲得するために新商品を投下して興味を持ってもらい、柱となる定番商品への購買につながるように常に新商品を出しています。
――最近、特に注力している取り組みはありますか。
【吉岡さん】アレンジレシピの開発で食シーンを増やすことです。
18年ごろからアレンジレシピ開発をSNSチームと連携して行っています。大切にしているのは、「エッセルってこんな使い方があったの!」という驚きです。それこそ、シズリーナ荒井さんが考案したコンビニの冷やし中華に「エッセル スーパーカップ 超バニラ」を入れるレシピや、材料3つ(「エッセル スーパーカップ 超バニラ」、クリームチーズ、薄力粉)だけで作るバスクチーズケーキは社内でもざわつきました。これもある意味驚きですよね。
――94年から守り続けている200mlという容量は、アレンジに最適だと思います。例えば、牛乳200mlや100mlのレシピの場合、エッセルではまるごと1カップや2分の1カップと容易に置き換えられます。
お菓子作りで大切なことは、材料をきっちり量ること。メニューによっては材料が1g違っただけでも失敗してしまうことがあります。だからこそ、「エッセル スーパーカップ」はお菓子づくりやアレンジレシピに最適だと思います。
今やアイスは通年で楽しめるもの
【吉岡さん】実は、アイスの需要は夏だけではありません。冬に濃厚で特別感のあるアイスの需要が高まることに着目して、16年12月に高価格帯の「エッセルスイーツ」というブランドを立ち上げました。
第1弾として、アイスクリームならではのおいしさを上質なスイーツの味わいに仕立て上げた、ケーキのようなアイスのような層状アイスクリームデザート「エッセル スーパーカップ Sweet’s 苺ショートケーキ」を全国発売しました。おかげさまで、高級デザート路線のアイスで価格が高め〔220円(税別)〕にもかかわらず、こちらの予想を上回り一時販売休止になってしまうほどのブランドになりました。
――確かに発売当時、4層のカップアイスはエポックメイキングな商品でした。この商品が登場してからというもの、他のアイスメーカーも4層のカップアイスやパフェ系のアイスをこぞって出してきましたよね。アイスが夏だけではなく通年で楽しめるようになったのも16年ごろからでした。
新フレーバーやアレンジレシピの開発で、常に新しい挑戦を続ける「エッセル スーパーカップ」。味の“美味さ”もさることながら、定番品が好調なうちに新商品で上乗せを図るというビジネス展開も非常に“うまい”。