——なぜ、そこまで飯田さんは頑張りたいと思うのですか?

【飯田】会社を成功させるためには常に厳しい道をいかなくては、と思っているからですね。止められても止まらない。やるといったらやるので。日本は高齢化、少子化社会ですよね。マリッシュは、微力ながら少子高齢化対策にむけて、サポートしていければと思います。

——ありがとうございました。

小さい市場で勝つマーケティング

最後に、マーケティングでのヒントをお伝えしたい。マーケティングではまず、市場で「誰に買ってもらうか」を考える。そのとき、どうしても人口が多い市場にアプローチしたくなるのがわれわれの常だ。

とはいえ、人口が多いといっても「今すぐそのサービスを使う必要がない」「ぼんやりとしか、サービスの必要性を感じていない」層へ売り込むなら、何度もサービスの必要性を説得しなくてはならない。そのため、広告費は莫大になる。

そうした手法よりも、いますぐそのサービスを使いたいと思っている少数派へアプローチしたほうが、市場は限られても勝者となりやすい。マリッシュはまさにこの戦略を取ったといえる。「婚活・再婚活」という新たなキーワードで、シンママやバツありの男女も獲得したのだ。

また、マリッシュはシンママやバツあり男女を獲得した結果、20代から30代をターゲットとしているほかのアプリよりも年齢層が高い。特に男性ユーザーは40代以上が8割を占める(*2)。その結果、高所得者の割合が高く、年収600万円以上の男性ユーザーは4割にも上る(*2)。

任意ではあるが収入証明を提出できるため、実際に収入が高いユーザーと、“盛っている”可能性があるユーザーを見分けることもできる。再婚を願う女性ユーザーにとって、高収入の男性ユーザーの多いサービスが魅力的に映ることは間違いないだろう。

少数派へ向けたサービスの開発は、勇気がいるものだ。しかし、もしそこで「強烈にそのサービスがほしい」と思っている層がいるなら……。マリッシュの成功例は、ぜひ学習したい事例と言えそうだ。

(*2)2021年8月時点

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