シングルマザーの心をつかむマーケティング

——SNSや検索を少し使うだけでマッチングアプリの広告を大量に目にするのですがマリッシュの露出はそこまで多くない印象です。どのようにしてシングルマザーを中心とする、30~50代のユーザーを獲得してきたのでしょうか?

【坂田】広告を大量に出してどうこう……というのは考えていません。それよりも、掲載していただいた媒体さんでの表記に気をつけています。たとえば、「再婚活」について書いていただいたり、“恋活”アプリよりも“婚活”アプリと書いていただけるようお願いしたり。50代の登録者さんや、シングルペアレントの方がこぼれ落ちないように書いていただいています。

また、最近では第一生命とのコラボキャンペーンを行っています。このキャンペーンでは、働くシングルマザーを応援するため、毎月先着940名へ所得補償保険のお申し込み権(3カ月間分の保険料をマリッシュが負担)をプレゼントするものです。お金や物を直接渡すキャンペーンもありますが、シングルマザーが本当に必要とされているものはなんだろうと考えに考え抜きました。

そこで、物質的なものではなく、“安心”を提供したいと考えて「保険」という結論にたどり着きました。

創業の背景にある「バツあり」差別

——そもそも、なぜ「シンママ」や「シンパパ」が多い年齢層をターゲットにしたのでしょうか?

【飯田一寿】以前、別事業を展開していたんです。そのサービスではユーザーの99%が女性でした。さまざまなお悩みを伺っていくなかで、バツあり女性の相談も多くいただきました。

「私なんかが初婚の相手へいってもだめなんじゃないか」と、悩まれる女性が多かったのです。そこで、何とかこういった人をサポートできないか、という思いをもとにマッチングアプリ事業を立ち上げることを決めました。

不安から爪の付け根を押す女性
写真=iStock.com/PeopleImages
※写真はイメージです

——飯田さんは、マッチングアプリ業界をもともとご存じでしたか?

【飯田】マッチングアプリはゼロから勉強してスタートしました。弊社は後発サービスですから、同じ形でやっても不利になることは明らかでした。1日8時間はスマホを触って、他社さんや、他カテゴリのサービスを調べていましたね。

マリッシュをプロジェクトとして立ち上げ、リリースするまで1年半かかりました。最初は男女ともに無料でスタートしたこともあって、順調に会員数を獲得できました。

——まさに順調な滑り出しですね。現在はどんなモチベーションで続けていらっしゃいますか。

【飯田】ユーザーさんから成婚された話が届くので、目に見えたモチベーションになっていますね。今年の11月で、マリッシュはリリースして5年になります。

この5年で「アクティブに動けるシングルマザー」はほとんどマリッシュに来ていただいた。今後はマリッシュを使うチャンスがなかった、昼も夜も働いている方も支援できればと思っています。