前日の夜に、翌日のスケジュールをチェックしながら「1日のリハーサル」をイメージすることも有効です。最近では、日曜の夜から月曜の朝にかけて漠とした憂鬱感を抱く人も結構多いのですが、次の日に予定していることのうち、何がその原因かを特定できるだけでも気持ちが楽になり、解決の糸口につながります。たとえば、何かの締め切りやプレゼンが心の重圧になっているなら、同僚や上司に相談するなどの事前具体策が立ちます。

さらに、「リハーサル」したことが現実に起きると、自然とやる気は高まり、ドーパミンが絶えず分泌される状態になります。また、脳は現実に起きていることと、イメージを区別できないので、未来のイメージを繰り返せば繰り返すほど、イメージが現実になり、成功する確率が高まるといわれています。イメトレはまさにそれを応用したものです。これらのメソッドは単なる根性論ではなく、日進月歩の脳科学の理論や認知行動学・認知心理学を先取りする形でやる気養成に役立ててきたフレームワークなのです。

いきなり日誌をつけるのが億劫なら、家庭生活からやる気の土壌づくりをしてみてはどうでしょう。靴を揃える、家族で挨拶をする、朝5時に起床する、社会奉仕活動をする……。そんなちょっとしたルーティンワークの継続「反復連打」は、小さいけれど確かな心の充足感につながります。「自分にもできる」という自己肯定感を味わえるからです。

日は当たらず地味な作業だけれど、黙々と積み重ねるうちに、心が強く、キレイになっていきます。ずっと下を向いていた“心のコップ”が上を向き、人からの助言や励ましも素直に受け入れられるようになるのです。こうして「心のコップが上向き」になると自分の内側からモチベーションが高まり、将来のビジョンも描くことができるようになります。

あたりまえじゃないかと言う人もいるでしょう。ですが、これまでに紹介したあたりまえのことを継続することで「やる気ない病」のどん底から立ち直り、成功したビジネスマンや、大きく成長したスポーツ選手を私は数多く見てきました。