挫折をバネに這い上がる人は何が違うのか。かつて大阪の高校野球の名門PL学園でレギュラー選手として甲子園で活躍した黒木泰典氏(54)は、今、プルデンシャル生命の支社長だ。スポーツライターの清水岳志氏は「黒木さんは桑田・清原のKK世代で、PL時代には頂点を極めましたが、大学野球・社会人野球では辛酸を舐めました。それでもつらい経験を大いに今の仕事に活かしています」という――。
PL学園「KK世代」の54歳が野球選手から華麗なる転身
「PLで全国制覇するために努力したことが、今、ビジネスに生かされています」
高校球児には、高3の夏までの2年半の間に5回の甲子園出場のチャンスがあるが、多くの球児は1回も果たせない。
黒木泰典(54)は4回出た。同級生のチームメイトには、桑田真澄(現巨人コーチ)や清原和博(元西武・巨人など)がいた。
2016年に野球部が廃部になった大阪のPL学園。だが、KKコンビを筆頭とした超高校級の選手が集結した1980年代半ばのチームは無類の強さを誇った。特に1985年の夏、黒木は高校最後の夏の甲子園でレギュラーとして打撃に守備に大車輪の活躍をして優勝に貢献した。
あれから40年弱……。今、プルデンシャル生命保険・大阪第二支社長を務めている。大阪・梅田で待ち合わせると、紺のスーツにピンクのネクタイをして笑顔で出迎えてくれた。いろんな試練を乗り越えてきた顔だった。