結納にあたる納采の儀や、天皇皇后にあいさつする朝見の儀など、普通の女性皇族が結婚のときに行う儀式も行わず、1億4000万円といわれる一時金も、眞子さんは受け取ることを辞退すると報じられている。
いくらコロナ感染が収まらないとはいっても、あまりにも可哀想なやり方ではないか。
だが、メディアに同情する気持ちはまるでないようだ。
「二つのハードルと残る懸念」(朝日新聞デジタル9月1日19時14分)「小室さん母元婚約者トラブル何も解決せず」(日刊スポーツ9月2日付)「『多くの人の納得』実現しない中『まるで駆け落ち』」(スポーツニッポン9月2日付)と、さらに2人に鞭を振るうがごとき書き方である。
親としては存分に祝って送り出してやりたいと思っているのだろうが、皇族という立場、国民からの冷ややかな視線を考慮したのであろう。しかし、秋篠宮自らが発表していれば、メディアも違う書き方になったのは間違いない。
小室母子への心ない報道の数々は検証されるべきだ
ここでひと言いっておきたい。
この結婚問題が決着したら、週刊誌を含めたメディアが垂れ流してきた小室母子に対する心ない数々の報道は、検証されなくてはいけないと考えている。
これまでもここで何度も書いてきたから、詳しくは触れないが、小室の母親・佳代と元婚約者との間の金銭トラブルは、2017年12月に週刊女性が報じたことで明るみに出た。だが、そのときの記事中でも、佳代からの借用書は一枚もないから裁判を起こしても勝ち目はないと、弁護士のコメントが載っていた。
しかも、一度は佳代と話し合って、その問題はいちおう解決していたはずだった。それなのに、話し合いから4年近く経って、彼の息子の小室圭が秋篠宮眞子さんと婚約したことを知って、元婚約者は週刊誌にタレ込んだのである。
今なら借用書がなくてもカネを返すだろう、または、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いで、息子の逆玉の輿を邪魔してやろうという底意が見え見えではなかったのか。
佳代と元婚約者との金銭トラブルは法的な問題ではなくモラルに関わることだが、元婚約者のモラルも問われてしかるべきであった。
だが、週刊誌やテレビは、そこを見ずに、小室母子バッシングに明け暮れた。
さらに、週刊誌は小室家のプライバシーまで暴き出したのである。
それから現在まで、母子や眞子さんについての報道が、人権や倫理上問題があると指摘した識者はほとんどいなかった。