「騙してナンボ」になったインターネット広告業界
本稿では、インターネット広告が汚れてしまっている様子を記述してきた。インターネット広告業界の少なくない企業たちは、違法な手段で利益を得ている。
その違法な広告で被害を受けているのは一般消費者だ。一般消費者は、薬機法違反の広告、景品表示法違反の広告、外見蔑視広告などを見せられ、惑わされて、商品などを購入してしまう。
現在のインターネット広告業界は、そういった消費者からお金を巻き上げることによって成り立っている部分が大きくなっている。
「いまどき、インターネット広告を信じる奴はバカだ」と言う人もいるかもしれない。確かに、そういう面もあるだろう。しかし、バカだったとしても、騙していいということにはならない。
私の家族も、違法な広告のカモになったことがある。
違法広告の訴求効果は極めて高い
「雑穀麹の生酵素」という商品がある。筆者の家族はこの商品を買った。
「雑穀麹の生酵素」の販売元「株式会社モイスト」は、平成31年3月29日に、消費者庁から景品表示法に基づく措置命令を受けた。返金と訂正広告を行っている。
命令文書は消費者庁のサイトにPDFファイルで公開されている。
「雑穀麹の生酵素」は、「飲むだけで痩せられるダイエットサプリ」と広告されて販売されていた。これを買った私の家族は太り気味だ。コンプレックスを刺激されて買ったのだろう。
私の家族は、私が違法広告調査の仕事をしていることを知っている。それでも、こういうものを買ってしまう。違法広告の訴求効果がいかに高いかを思い知らされた。
私からこの家族へ、この事実を伝える際には、心が痛んだ。「そのサプリは消費者庁が問題にしてるやつだから、飲まないほうがいい」とひとこと伝えるにとどめた。
私の体験は単なるサンプルのひとつにすぎない。しかし、違法な広告を通して商品を買っている消費者がたくさんいることは、間違いのない事実だ。現在のインターネット広告業界は、こうした消費者被害を土台にして成り立っている部分が大きくなっている。


