東京五輪・パラリンピックが盛り上がる一方、新型コロナウイルスの感染拡大がとまらない。東京都では7月27日の新規感染者数が2848人と過去最大を記録した。
その中に含まれているとされるのが、全国から集められた東京五輪の警備を担当する特別派遣部隊の警察官だ。その部隊に属する兵庫県警の巡査部長ら4人のコロナ感染が24日、明らかになった。その後、感染者は増え続け、27日までに12人と膨れ上がった。警察庁幹部はこう話す。
「無観客開催となったので、警備の規模は当初よりは縮小されています。選手はもちろんのこと、無観客ですから一般市民とも接触はほとんどない。警察官もほぼバブルの中です」
しかし、23日の開会式では国立競技場に隣接する駅で「オリンピック反対」というプラカードを持ったデモ隊が多数集まり、大混乱し、「密」状態となった。その警備にあたったのは特別派遣部隊の警察官だ。バブル内の活動とはいかないようだ。派遣されている兵庫県警の警察官はこう話す。
「6月終わりから東京の警察施設に来ました。入京式という行事があって、都内の宿舎に入りました。部屋は小さな個室だが、狭い。『タコ部屋か』と思った。同じフロアには100人近くがいます。感染で問題になっているのは洗面所、トイレ。共同で2カ所しかないところもあり、トイレの数がぜんぜん足りず、密になる時間帯がある。それがクラスターの原因とされている」
この警察官によると食事は毎日、弁当で、中身は鶏のから揚げ、とんかつなどの定番のこってりメニューばかりだという。
「この暑さと台風でしょう。休みの日は外食していいという決まりもあるが、緊急事態宣言の中で、店も開いていません。そこにコロナの感染拡大があり、怖くて、外出もままならず、士気もあがりません。コロナは災害現場の応援よりも恐ろしいと言う警察官もいます」(同前)
警察官の感染者の中には、無症状者もいれば、39度以上の高熱、咳が止まらないという発症者もいる。
「感染者が出るということは、濃厚接触者もいるということです。たぶん30人以上いたはずで、彼らは別の施設で隔離されましたね」(前出の警察官)