これまで以上にモノづくりの力を支える政策を
特に、変異株による感染再拡大によって生産工程の省人化などを支えるファクトリー・オートメーションへの取り組みは、これまで以上のスピードで進む可能性がある。それに加えて、自動車の電動化によって、バッテリーや車載半導体などの生産能力拡大も主要国経済にとって重要性が増している。それらは、わが国製造業の追い風になるだろう。
わが国の政府に求められることは、目先は何よりも国内の感染対策を徹底する。その上で、製造業の競争力向上に向けて高付加価値のモノづくりの力を支える政策を進めることだ。具体的には、量子技術の実用化や6G通信技術の開発サポートなど、先端分野で取り組むべき対象は多い。
最先端分野の技術を支える素材の創出は、自動車や機械産業の成長も支えるだろう。そうした企業の取り組みを強くサポートすることによってわが国は、米国、中国、台湾や韓国などから、これまで以上に必要とされる立場を目指さなければならない。そうした取り組みがわが国と国際世論の関係強化を支え、自国の主張に対するより多くの賛同を得ることにつながるだろう。