“目に余る”経営者たち

【白河】最後に、日本における女性活躍への取り組みをどう見ていらっしゃいますか?

【江川】以前、ある経営者が「今、うちは働き方改革をやっているから業績がよくないんです」と言っていて、非常に憤りを感じたことがあります。数字を落とさずに改革する方法を考えるのが社長の仕事だろうと言いたいですね。

同じように、女性比率を上げることを単に人数的な帳尻を合わせることだと考えている経営者もいます。そうではなくて、自社のビジネスを拡大したら自然と女性比率が上がるという仕組みを作ることが社長の仕事であると思います。

主要ポジションに女性をつけなければ意味がない

【江川】数字合わせだけをやると、社内の男女比率は半々でも主要なポジションについているのは男性ばかりということになりかねません。それではまったく意味がない。当社では男女比率の問題はほぼ解決済みで、今はもう「中核ポジションの女性比率をどれだけ高められるか」がテーマになっています。何のためにやるのかといえば、われわれのビジネスを成長させるためです。これからのビジネスは、中心に女性がいなかったら成長は見込めない。意思決定の場に女性が何%いるか、リーダー陣の多様性が重要だと思っています。

【白河】女性が活躍できる場をつくり、働き方改革で環境を整え、そして主要なポジションに自然と女性が上がってくる。これがまっとうな順番ということですね。江川社長は自ら本気で行動し、大きな成果を出されました。こうした前例は今後、他社にとって非常に重要な指標になると思います。

(構成=辻村洋子)
【関連記事】
「会食ゼロで大型の資金調達」私たちが大企業を辞め56歳で起業した理由
「辞めますというセリフしか出なかった」希望退職に応じた女性人事課長50歳の胸の内
派遣社員から本部長へ「過労で休職」を経験しても上を目指し続けた理由
「1兆円夫のカトパン」「女優・田中みな実」に嫉妬…続々"闇落ち"する20代女性アナが直面する人生格差
ブッダの言葉に学ぶ「横柄でえらそうな人」を一瞬で黙らせる"ある質問"